セッション情報 ポスター

肝癌3

タイトル P-212:

膵頭十二指腸切除後の肝転移に対するラジオ波焼灼療法

演者 佐藤 新平(佐々木研究所附属杏雲堂病院消化器肝臓内科)
共同演者 河井 敏宏(佐々木研究所附属杏雲堂病院消化器肝臓内科), 八島 陽子(佐々木研究所附属杏雲堂病院消化器肝臓内科), 杉本 貴史(佐々木研究所附属杏雲堂病院消化器肝臓内科), 佐藤 隆久(佐々木研究所附属杏雲堂病院消化器肝臓内科), 菅田 美保(佐々木研究所附属杏雲堂病院消化器肝臓内科), 小尾 俊太郎(佐々木研究所附属杏雲堂病院消化器肝臓内科), 小池 幸宏(関東中央病院消化器内科), 吉田 英雄(日本赤十字社医療センター消化器内科)
抄録 【背景と目的】膵癌は切除後であっても肝転移をきたすと予後は平均3か月以内である.PD後の肝転移への局所療法(n=126,切除,焼灼,TACE,放射線)での合併症率は34%,死亡率は2.4%という報告(Ann Surg 252:142-148,2010)があり,危険が高いと言われている.今回,PD後の肝転移に対してラジオ波焼灼術(RFA)を施行したので報告する.【方法】背景2011年までに当院,およびその関連施設において,肝癌に対して2000症例のRFAが施行されている.その内,膵癌に対してPD後,肝転移にRFAが施行された21例(1%)を対象とした.腫瘍径2.9cm,平均個数3こ(1-12).合併症,生存率を検討した.全例cool-tip RFA電極が使用され,経皮的に施行された.術前より腸管滅菌と禁食,術後の抗生剤投与が行われた.また焼灼方法としては腫瘍部内部のみを焼灼し,腫瘍周囲の正常肝はできるだけ焼灼しないこと,焼灼時間も伸ばさないこと,などの点に留意した.【成績】当院を含めた4施設での膵癌PD後の肝転移に対するRFA21例中,生存は3例(14%)であった.合併症は3例(14%)で胆管炎が2例(9.5%),肝膿瘍は1例(4.8%),術死0例であった.RFA後のMSTは5.7か月であった.【考察】この結果は前述の報告の合併症より低率である.その理由としては,各施設が高リスク群と認識した上で,RFAに習熟した術者が担当し,術前,術後のマネージメントから術中の焼灼方法まで安全に留意したことも良好は結果の一因と考える.【結論】術前,術後の管理を含めたRFAは膵癌肝転移の治療の選択肢のうちの一つになりうると考えられた.
索引用語