セッション情報 ポスター

肝癌3

タイトル P-215:

新たにRFA治療を導入した施設におけるC型肝炎ウイルス関連HCC症例の検討

演者 金原 猛(湘南鎌倉総合病院肝胆膵疾患治療センター)
共同演者 魚嶋 晴己(湘南鎌倉総合病院肝胆膵疾患治療センター), 賀古 眞(湘南鎌倉総合病院肝胆膵疾患治療センター)
抄録 【目的】肝細胞癌(以下HCCと略す)症例の多くはB型,C型肝炎ウイルス感染が原因であり,慢性肝疾患の経過観察中にHCCが発見される.そのためラジオ波焼灼療法(以下RFAと略す)の適応となるHCC症例は,長期間慢性肝疾患を加療してきた施設に遍在する傾向にある.今回我々は,新規開設した当施設でのRFA適応C型肝炎ウイルス関連HCC症例の実態を把握するため検討を行った.【方法】当センターでRFAを本格的に開始した2012年4月であり,2012年4月から8月までにRFA施行したHCC症例13例中C型肝炎ウイルス感染が基礎肝疾患と診断された12例を対象とした.【結果】12例中男女比は8:5であり,平均年齢は男性67歳女性75歳と女性で高齢であった.平均腫瘍径は22.4mmで平均腫瘍数は1.3個であった.HCC発見時肝臓あるいは消化器科医師の管理下にあった症例をfollow群(F群)としそれ以外の症例を非follow群(N群)とすると,F群:N群=5例:7例とN群が多く認められた.平均年齢はF群:N群=70歳:68歳とF群で高齢であり,男女比はF群(男:女=3:2)N群(男:女=5:2)と差は認められなかった.平均腫瘍径ではF群18mmN群25.6mmとN群で腫瘍径が有意に大きいが,腫瘍数(F群1.2個N群1.4個)は両群間で差は認められなかった.N群のHCC発見契機は,他の悪性疾患精査中2例,スクリーニング検査3例,他疾患加療中にC型肝炎が判明したため1例,HCC破裂1例であった.F群中過去にIFN治療受けた症例は1例のみ(IFN無効例)であったが,N群中IFN治療にてSVRとなった症例が3例存在し,2例はスクリーニング検査にて他の1例はHCC破裂にて発見された.【結論】今回の検討でC型肝炎ウイルス感染者と認識されていない症例の存在,followされていないSVR症例の発癌例の存在から,スクリーニング検査の重要性とSVR症例の定期的なfollowの必要性が示唆された.
索引用語