セッション情報 |
ポスター
肝癌3
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タイトル |
P-216:グリソンに近接する肝細胞癌に対するマイクロ波凝固壊死療法(MCN)の工夫について
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演者 |
龍 知記(九州医療センター肝胆膵外科) |
共同演者 |
高見 裕子(九州医療センター肝胆膵外科), 立石 昌樹(九州医療センター肝胆膵外科), 和田 幸之(九州医療センター肝胆膵外科), 才津 秀樹(九州医療センター肝胆膵外科) |
抄録 |
肝細胞癌(以下HCC)に対してマイクロ波凝固壊死療法(以下MCN)を行うに際して,我々の施設では腫瘍周辺から中心部に向かって穿刺と凝固を繰り返し行うことを基本手技としてきた.その理由は,腫瘍内圧の上昇しているHCCに対して,ラジオ波焼灼術(以下RFA)のようにその中心を穿刺して凝固することは,腫瘍内圧をさらに上昇させることになり,HCCの被膜内外に存在する腫瘍栓を飛散させる危険性が危惧されるからである.しかし,HCCがグリソンに接している場合に,従来のMCNの手技で施行すると,誘電熱により胆管に熱傷害をきたす危険性が高くなるため,これまではグリソンに接する5mmの範囲にはエタノール注入療法(以下EIT)を行い,それ以外の部分にはMCNを行うというMCN+EITで対処してきた.しかし,MCN単独で行った場合と比較すると,やはり局所制御能に劣ることが欠点であり,局所再発の恐れが常につきまとっていた.そこで,誘電熱でHCCを治療するというMCNの課題を克服する方法として,これまで65ワット,60秒という深部電極における最大出力を40ワット,30秒まで低下させ,グリソン近傍をMCNすることにしてみた.その結果,術後のCTなどによる検討において胆管に熱傷害,すなわち胆管狭窄や拡張が認められないことが確認されつつある.そのようなことから,我々はこのような手技の工夫でグリソンに接したHCCに対してMCNを追試しているが,現在までに良好な治療経過を得ているHCC症例を呈示したい. |
索引用語 |
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