セッション情報 ポスター

肝癌4

タイトル P-217:

当科における進行肝細胞癌に対するSorafenibの使用経験

演者 吉見 健太郎(神戸労災病院消化器科)
共同演者 久保 公了(神戸労災病院消化器科), 有吉 隆佑(神戸労災病院消化器科), 眞弓 周子(神戸労災病院消化器科), 井石 絵美(神戸労災病院消化器科), 的場 是篤(神戸労災病院消化器科), 山東 功佳(神戸労災病院消化器科), 森 健次(神戸労災病院消化器科), 岩越 一彦(神戸労災病院消化器科)
抄録 【目的】2009年5月にSorafenibが切除不能進行細胞癌に対して保険適応となって以降,当院では9症例に同剤を導入した.これらの症例の臨床背景,投与量,治療効果および有害事象について検討した.【対象・方法】対象は2010年6月から2012年8月までに当科においてSorafenibを投与した9例.治療効果はRECIST v1.1基準で,有害事象はCTCAE ver 4.0に基づき検討を行った.【結果】対象9例の平均年齢は73歳(61-81),男性6例,女性3例.背景肝病変はHBV/HCV/NBNC:2/6/1例,肝予備能はChild-Pugh分類5/6/7点:4/4/1例,進行度分類はTNM Stage3/4A/4B:5/3/1例であった.前治療として全例でTACEが施行され,その平均回数は6.8回,内7例ではRFAも施行されていた.初回治療からSorafenib導入までの期間は平均49か月,導入理由はTACE不応例が7例,遠隔転移が1例,高度脈管侵襲(Vp4)が1例であった.初期投与量は800mg/日3例,400mg/日6例,投与期間中央値は169日(13-421),Sorafenib導入後の生存期間中央値は278日(92-421)であった.投与開始3カ月以内に治療効果判定が可能であった7例の抗腫瘍効果はCR/PR/SD/PD:0/0/1/6例,奏功率は0%,病勢制御率は14.3%であった.全症例でgrade2以上の有害事象のため減量を要し,減量までの平均日数は24.4日であった.減量理由は手足症候群2例,皮疹4例,血小板減少3例,肝機能障害4例,患者拒否1例であった.投与全期間内でのGrade3以上の有害事象は,スティーブン・ジョンソン症候群1例,手足症候群1例,皮疹2例,肝機能障害1例,血小板減少3例で,いずれも中止により改善を認めた.【考察】当科におけるSorafenib治療では,全例で減量・休薬に至っているが,適切な対応により同量で再投与でき,SDを長期維持できている症例も経験されており,投与量調節や有害事象管理を適切に行うことによって長期投与・長期生存を目指せる可能性が示唆された.
索引用語