セッション情報 ポスター

肝癌4

タイトル P-219:

当科における進行肝細胞癌に対するソラフェニブの使用成績

演者 岩切 久芳(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野)
共同演者 山田 優里(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 上原 なつみ(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 鈴木 翔(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 大園 芳範(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 竹田 幸子(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 夏田 朱一郎(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 橋本 神奈(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 土持 舞衣(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 山路 卓巳(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 中村 憲一(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 白土 明美(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 三池 忠(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 安倍 弘生(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 山本 章二朗(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 蓮池 悟(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 永田 賢治(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 下田 和哉(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野)
抄録 【目的】当科においてソラフェニブによる治療を導入した切除不能進行肝癌症例の治療効果及び有害事象について検討を行った.
【対象と方法】対象症例は2009年9月から2012年8月までにソラフェニブを投与した18例.投与開始3ヶ月後の治療効果をRECIST1.1基準,有害事象をCTCAE ver 4.0にて評価した.
【結果】投与例は男性17例,女性1例,年齢中央値は71歳(60-80),背景肝はHBV/HCV/ALD/nonBnonC:3/6/3/6例で,肝予備能は一例を除きChild-Pugh A.門脈内腫瘍塞栓は7例,遠隔転移は12例に認め,stage III/IVa/IVb:5/1/12例であった.初回投与量は800mg 6例,400mg 12例で,投与期間中央値は117.5日(6-322)であった.7例(初回投与量800mg群4例(67%),400mg群3例(25%))は有害事象の為,2例は病勢進行の為,3か月未満で投与中止に至った.投与開始3か月後に評価可能であった13例における治療効果はCR 0例,PR 0例,SD 2例,PD 11例であり,response rate(RR)は0%,disease control rate(DCR)は15.4%であった.15例が観察期間中に死亡した.生存期間中央値は223日(42-506)で,3か月以上の投与が可能であった症例は253日(180-412),早期投与中止例は65日(42-506)と投与継続例は生存期間が延長する傾向を認めた.また,RECIST1.1基準では明らかではなかったものの,各症例の最大腫瘍における増大率をRECICLに準じて検討したところ,投与継続例は増大率の抑制傾向を認めた.有害事象は全例に出現し,重篤なものとして,肝性昏睡1例,消化管出血2例,多形滲出性紅斑1例を認めた.
【結論】当科におけるソラフェニブ治療導入例では奏効例を認めなかったが,投与継続は生存期間延長に寄与する可能性が示唆された.また,初回投与量の減量は有害事象による投与中止率を低下させ,投与継続に有用と考えられた.
索引用語