セッション情報 ポスター

肝癌4

タイトル P-220:

当院におけるSorafenibの臨床使用経験

演者 宮元 亮子(日本医科大学付属病院肝臓内科)
共同演者 金子 恵子(日本医科大学付属病院肝臓内科), 川本 智章(日本医科大学付属病院肝臓内科), 水野 杏一(日本医科大学付属病院肝臓内科), 安井 大輔(日本医科大学付属病院放射線科), 秋葉 綾子(日本医科大学付属病院放射線科), 中澤 賢(日本医科大学付属病院放射線科), 村田 智(日本医科大学付属病院放射線科), 清水 哲也(日本医科大学付属病院第一外科), 川野 陽一(日本医科大学付属病院第一外科), 谷合 信彦(日本医科大学付属病院第一外科), 真々田 裕宏(日本医科大学付属病院第一外科)
抄録 『目的』当院における進行肝細胞癌に対するSorafenib治療の現状について検討した.『対象・方法』対象は2010年4月から2012年3月までの間にSorafenib治療を導入した肝細胞癌21名である.平均年齢は68.9歳,男性14例,女性7例であった.背景肝は全例が肝硬変であり,その成因はC型肝炎14例,B型肝炎4例,non B non C型肝炎3例であった.背景肝の予備能は全例がChild-pugh Aであった.腫瘍の進行度はStage2 6例,Stage 3 4例,Stage 4A 6例,Stage4B 5例であった.脈管侵襲は4例で認め,Vp因子ありが3例,Vv因子ありが1例であった.肝外転移を6例で認めた.Sorafenibの投与開始量は800mgが10例,400mgが4例,200mgが7例であった.『結果』平均在院日数は26.8日で,2012年9月現在生存中14例,死亡7例である.Modified RECIST基準による治療効果判定では,PR7例,SD2例,PD8例,判定不能4例であった.副作用についてはCTCAE grade 3以上の例は肝機能障害6例,grade 2までの副作用として手足症候群3例,下痢4例,高血圧4例,肝機能障害3例,発熱2例,血中アミラーゼ増加1例,発声障害1例であった.手足症候群の重症化例が皆無であった.効果判定を一日平均投与量別に行ったが,400mg未満ではPR25%,SD25%,PD37%,判定不能13%,400mg以上600mg未満ではPR33%,PD67%,600mgから800mgではPR43%,PD14%,判定不能43%と600mgから800mgの症例で奏効する傾向が認められた.また,Sorafenibの投与開始量が200mgから400mgでも効果を認める症例が存在し,3例で治療開始1週間以内に著明な腫瘍濃染の消失を認めた.『考察・結語』Sorafenibの一日平均投与量が600から800mgの症例で治療効果が高い傾向が認められるため,認容性があれば可能な限り高用量を使用すべきと考えられた.
索引用語