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肝癌4

タイトル P-221:

当院における肝細胞癌に対するsorafenib投与例の検討

演者 古本 洋平(東京都立墨東病院内科)
共同演者 浅野 徹(東京都立墨東病院内科), 石橋 史明(東京都立墨東病院内科), 上山 俊介(東京都立墨東病院内科), 港 洋平(東京都立墨東病院内科), 村松 雄輔(東京都立墨東病院内科), 宮本 勇治(東京都立墨東病院内科), 間野 真也(東京都立墨東病院内科), 村山 巌一(東京都立墨東病院内科), 堀内 亮郎(東京都立墨東病院内視鏡科), 佐崎 なほ子(東京都立墨東病院内科), 藤木 和彦(東京都立墨東病院内科), 忠願寺 義通(東京都立墨東病院内科)
抄録 【目的】当院における肝細胞癌に対するsorafenibの治療成績,副作用などについて検討した.【対象】2009年8月から2012年8月までの間に肝細胞癌に対してsorafenibを投与した34例【結果】平均年齢70.1歳,男性25例,女性9例,HBV/HCV/Alcohol/その他:2/24/5/3,Child-Pugh 5/6/7点:21/12/1,stageI/II/III/IVA/IVB:0/12/6/5/11,肝外病変+/-:15/19,平均AFP 3520.9(2.4-10930),PIVKA-II 5343.8(11-57068).34例の内訳はsorafenib単独投与群19例,TACEやHAICとの併用群15例であった.28例が800mg/dayで開始され,最近の6例が400mg/dayで開始された.副作用により6例で減量,18例で中止された.減量中止の原因は手足症候群が9例と最多であり,血小板減少5例,肝機能悪化4例と続いた.800mg/dayで開始した症例では副作用による中止が16/28例(57%)であったのに対して400mg/dayで開始した症例では2/6例(33%)と少なく,減量開始は副作用のコントロールに有用と思われた.減量開始による治療効果については最近開始した症例が多く検討まで時間を要する.sorafenib単独投与群について検討すると,遠隔転移のあるstageIVBが7例,リンパ節転移のあるstageIVAが4例,stageII orIIIでTACE不応例が8例であった.治療効果はSD 8例/PD 6例,評価不能2例であった.すでに死亡した14例のMSTは12.3か月,stageIVBに限るとMSTは11.7か月であった.4か月以上sorafenibを継続内服可能であった4例ではMST 17.4か月であったのに対して4か月未満の10例では10.6か月と長期内服可能な例で予後が延長する傾向があった.症例数が少ないためかStage別の治療成績に差は認められなかった.【結語】sorafenibの長期内服により肝細胞癌の予後が改善される可能性が示唆された.十分な期間投与するため,開始容量の調節や減量等により副作用対策を行うことが重要と考えられた.
索引用語