セッション情報 ポスター

大腸 診断1

タイトル P-224:

腸管洗浄剤を使用しない大腸3D-CTの受容性に関する前向き検討―大腸3D-CTはどのような被験者に好まれるのか?―

演者 永田 浩一(亀田メディカルセンター幕張)
共同演者 伊山 篤(榊原サピアタワークリニック), 三上 鉄平(榊原サピアタワークリニック), 藤原 正則(亀田メディカルセンター幕張), 赤羽 麻奈(亀田メディカルセンター幕張), 宅間 健介(亀田メディカルセンター幕張), 下村 保(亀田メディカルセンター幕張), 光島 徹(亀田メディカルセンター幕張)
抄録 【目的】大腸検査で被験者の受容性を下げる大きな要因の一つに多量の腸管洗浄剤内服の問題がある.この問題は,近年欧米を中心に普及が進んでいる大腸3D-CTでも同様である.しかし,大腸3D-CTでは水溶性造影剤を内服することで残渣と病変を区別する手法(タギング)を用いることで,腸管洗浄剤の減量あるいは一切使用しないことが可能である.われわれは,腸管洗浄剤を使用しない大腸3D-CTの受容性を評価した.さらに,どのような被験者が大腸3D-CTを好むかについても検討した.【方法】任意型検診として大腸3D-CTを受けた連続する372名を対象とした.腸管前処置は3日前からの水溶性造影剤(ガストログラフィン)内服ならびに少量の下剤(ラキソベロン)内服によるDry変法である.検査終了後,アンケートにて前処置や検査の苦痛度,次回希望する大腸検査について調査した.【結果】被験者が「とても楽」または「どちらかと言えば楽」と回答したのは,腸管前処置(Dry変法)に対しては85%(228/271),検査自体に対しては74%(199/271)であった.次回の検査希望では,67%(182/271)の被験者が大腸3D-CTを選択した.検査の大変だった点として,64%の被験者がガス送気を,6%の被験者が腹痛を挙げた.被験者要因のうち,年齢,性別,BMI,便秘の有無の項目は検査の苦痛度に影響しなかったが,腹部手術既往と内視鏡経験の両方がある被験者では本検査の苦痛が有意に少ないと回答した(Odds比3.27,p=0.005).【結論】Dry変法による大腸3D-CTの受容性は,大腸精密検査としては十分に高いと考えられる.とくに,腹部手術既往と内視鏡経験の両方がある被験者では大腸3D-CTの検査が楽と答える割合が多く,本検査を好むことが判明した.
索引用語