セッション情報 ポスター

大腸 診断1

タイトル P-227:

大腸3D‐CT(仮想内視鏡)における診断にどの程度の経験が必要か?

演者 宅間 健介(亀田メディカルセンター幕張消化器科)
共同演者 永田 浩一(亀田メディカルセンター幕張消化器科), 茂木 智洋(亀田メディカルセンター幕張消化器科), 飯田 直央(亀田メディカルセンター幕張消化器科), 藤原 正則(亀田メディカルセンター幕張消化器科), 赤羽 麻奈(亀田メディカルセンター幕張消化器科), 下村 保(亀田メディカルセンター幕張消化器科), 西田 紀子(亀田メディカルセンター幕張消化器科), 細沼 知則(亀田メディカルセンター幕張消化器科), 和田 亮一(亀田メディカルセンター幕張消化器科), 光島 徹(亀田メディカルセンター幕張消化器科)
抄録 【目的】大腸3D-CTは,大腸内視鏡検査と比較して低浸襲かつ簡便に実施可能なことより,欧米では大腸癌検診の1検査法として確立している.大腸3D-CTの読影精度は,トレーニングにより向上することが知られているが,適当な読影レベルに達するまでに必要な読影経験について一定のコンセンサスは存在していない.今回読影初心者に対する読影トレーニングの効果を評価した.【方法】2名(A消化器病専門医およびB診療放射線技師)の読影非経験者に対し,講義および個別ハンズオントレーニングを実施した後に読影を開始した.読影トレーニングは内視鏡にて病変の有無が診断されている大腸3D-CT症例としてI群(1-50例)に続きII群(51-100例)に分け,各群に対する6mm以上の大腸ポリープ・大腸癌の検出精度および患者別感度を検討した.読影はAZEワークステーションにて2次元・3次元画像(フライスルー)を活用した.【結果】6mm以上の大腸ポリープ・大腸癌の検出感度はI群{A 67.9%(平均読影時間13.5分/例),B 60.7%(平均読影時間20.6分/例)},II群{A 77.8%(平均読影時間11.5分/例),B 86.1%(平均読影時間16.8分/例)}であった.病変の大きさ別での感度は,6mm以上10mm未満{I群(A 66.7%,B 61.1%),II群(A 71.4%,B 85.7%)},10mm以上{I群(A 70.0%,B 60.0%),II群(A 100%,B 87.5%)}であった.患者別の感度・特異度はそれぞれI群(A 76.9%・100%,B 65.4%・100%),II群(A 80.0%・96.0%,B 88.0%・100%)であった.【結論】各読影者ともトレーニングにより感度の向上および読影時間の短縮を認めた.しかし100例のトレーニングでは病変別感度は熟練医(感度90%以上)と同等の感度には達せず,特に10mm未満の病変に関して顕著であり,追加トレーニングが必要である.
索引用語