セッション情報 ポスター

大腸 診断2

タイトル P-232:

大腸がん化学療法における抗EGFR抗体

演者 保田 尚邦(伊勢崎市民病院外科)
共同演者
抄録 【はじめに】大腸がんの化学療法は日進月歩である.一方で,レジメンの複雑化が生じている.とりわけ分子標的薬剤の使用順序・投与法に標準化するエビデンスはなく,主治医や施設により使用方法が異なる傾向がある.また分子標的薬剤の登場で有害事象の管理も変化してきた.特に抗EGFR抗体の使用において皮膚障害の予防が重要とされている.【目的】当院における抗EGFR抗体(C-mab)の使用状況を分析し今後の展開を検討する.【対象と方法】2009年1月からの再発・切除不能大腸癌のうちC-mabを使用した症例を対象とした.【結果】C-mabの使用例は23例であった.K-RASの測定結果は全例で野生型であり,使用直前に測定されていた.初回の使用時期はファーストライン,セカンドライン,サードライン以降でそれぞれ1例(4%),3例(13%),19例(83%)であった.またCPT-11などとの併用投与が5例,単剤投与が18例(78%)であった.23例の平均使用回数は22回(1-91回)で,併用投与した5例(38回)は単剤投与(16回)に比べ有意差はないが(p=0.968)使用回数が多い傾向がみられた.【対策】当院では「化学療法・安心ブックレット」というA6サイズの小冊子を作成し,化学療法の管理や有害事象に対する予防対策を行っているので紹介する.【結語】C-mabの上乗せ効果によりOSの延長が認められたエビデンス(CRYSTAL試験)から,今後は単剤投与から併用投与する症例を増加させることが課題である.そのために皮膚障害のマネジメントとK-RAS測定の早期化が重要と考えられた.
索引用語