セッション情報 ポスター

大腸 診断2

タイトル P-233:

血清TFPI2とFBN2 methylationをマーカーとした大腸癌の検出

演者 日比 健志(昭和大学藤が丘病院消化器外科)
共同演者 水上 博喜(昭和大学藤が丘病院消化器外科), 斉藤 充生(昭和大学藤が丘病院消化器外科), 木川 岳(昭和大学藤が丘病院消化器外科), 根本 洋(昭和大学藤が丘病院消化器外科)
抄録 【目的】TFPI2はserine proteinase inhibitorであり,癌細胞の細胞外マトリックスの分解を妨げる.またFBN2は弾性腺維を構成する細胞外マトリックス蛋白であり,いずれも各種癌においてmethylationを受けている.今回我々は大腸癌患者血清中DNAにおける同遺伝子のmethylationを調べたので報告する.【方法】大腸癌患者206例の血清からDNAを抽出し,bisulfite modificationを加えた後,定量methylation-specific PCR(qMSP)法を用いてTFPI2とFBN2遺伝子のmethylationの検出を行い,血清診断の効率を調べた.【成績】大腸癌患者血清DNA 206例中65例(32%)にTFPI2もしくはFBN2 methylationを検出した.陰性コントロールとして用いたTFPI2もしくはFBN2 methylationを持たない大腸癌患者から得られたそれぞれの血清DNAからは,同異常を検出しなかった.臨床病理学的所見との比較において血清TFPI2もしくはFBN2遺伝子のmethylationは,男性(p=0.0223),低分化癌(p=0.0115),遠隔転移(p=0.0002)の癌で有為に高率に検出された.またTNM stageの高い癌で検出率は増加したが,stage 1や2の早い時期においても27%に検出し得た.また既存の腫瘍マーカーであるCEA,CA19-9と組み合わせる事で,大腸癌の検出率を54%まで上昇させる事が可能であった.【結論】TFPI2とFBN2遺伝子のmethylationを調べる事は,大腸癌の血清診断に有用であると考えられる.
索引用語