セッション情報 |
ポスター
大腸 その他1
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タイトル |
P-236:当院における大腸癌穿孔症例の臨床的検討
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演者 |
早馬 聡(製鉄記念室蘭病院外科) |
共同演者 |
大高 和人(製鉄記念室蘭病院外科), 川瀬 寛(製鉄記念室蘭病院外科), 本間 直健(製鉄記念室蘭病院外科), 高橋 康弘(製鉄記念室蘭病院外科), 仙丸 直人(製鉄記念室蘭病院外科) |
抄録 |
【はじめに】大腸癌による穿孔は患者救命と同時に癌根治性の観点から臨機応変に術式を選択しなければならない.今回,当院における大腸穿症例に対する手術術式選択と予後,臨床病理学的特徴について検討を行ったので報告する.【対象】2008年4月から2012年4月までの大腸癌穿孔16例.【結果】平均年齢 71歳,男女比1:1.占拠部位は盲腸2例,上行結腸1例,横行結腸1例,下行結腸1例,S状結腸7例,直腸4例で,穿孔部位は癌部8例,非癌部口側が8例だった.術式は人工肛門造設術のみ3例,原発巣切除(腸管吻合なし)+人工肛門造設術7例,原発巣切除(腸管吻合あり)+人工肛門造設術2例,原発巣切除(腸管吻合あり)4例であった.人工肛門造設術のみを行った3例は全身状態が安定した後,いずれもリンパ節郭清を伴う根治的切除を行った.術後ショック状態に陥るなど重症化した症例は6例あったが癌部穿孔症例1例に対し,非癌部穿孔例5例と,後者で重症化していた.周術期死亡は1例(6.7%)にのみ認めた.リンパ節郭清は15例(94%)に行われ,郭清度の内訳はD1:6例,D2:4例,D3:5例で,D1vsD2/D3で周術期死亡に差を認めなかった.リンパ節転移率は50%と高く,Stage分類はStageII7例,IIIa2例,IIIb1例,IV6例であった.StageIIIa以上の症例には術後補助化学療法が行われていた.術後の経過観察期間は1-261カ月で生存はStageII(5/7例)(生存期間10-151カ月),III(1/3例)(66カ月),IV(2/6例)(10-39カ月)であった.術後長期生存した症例はいずれもD2以上のリンパ節郭清がなされており,その内,80%が根治度Aの症例であった.【考察】補助化学療法も格段に進歩した現在,大腸癌穿孔においても待機手術同様,可能な限りリンパ節郭清を含めた根治性の高い手術を行うことが予後に寄与するものと考えた. |
索引用語 |
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