セッション情報 ポスター

大腸 その他1

タイトル P-237:

大腸憩室出血における重症化因子の検討

演者 勝部 智也(浅香山病院内科)
共同演者 渡邊 芳久(浅香山病院内科), 半野田 理恵(浅香山病院内科), 大西 美穂(浅香山病院内科), 梅田 修吾(浅香山病院内科), 高橋 亮(浅香山病院内科), 荒川 哲男(大阪市立大学消化器内科)
抄録 【目的】大腸憩室は近年増加しており,それに伴って大腸憩室出血の頻度も増加している.大腸憩室より出血する頻度は5~10%程度と言われ,従来は右側結腸よりの出血が多いとされてきたが,近年は左側結腸の憩室が増加していることに伴い,左側結腸の憩室よりの出血が多いとの報告もなされている.また,憩室出血は自然止血が多いとされるが,止血術が必要な症例に対しては内視鏡的止血術が第一選択とされている.時に手術やIVRによる止血術が必要な重症例や止血困難例もみられており,緊急を要する疾患の1つであるが,その重症化の因子ははっきりしていない.
【方法】今回我々は,平成18年~23年に下部消化管出血にて来院された患者のうち,憩室出血と診断し出血部位が同定できた52症例を自然止血群+内視鏡止血群(42症例)と手術群+IVR群(10症例)に分け,各々に対して年齢・性別・併存症・出血部位について統計学的検定を行うことにより後ろ向きに検討した.
【成績】年齢は自然止血群+内視鏡止血群が平均70.6歳,手術群+IVR群が平均68.1歳で有意差なく,性別・併存症(高血圧・高脂血症・糖尿病・高尿酸血症)の有無に関しても有意差は認められなかった.また,近年問題となっている抗血小板薬・抗凝固薬・NSAIDs内服の有無に関しても同様に有意差は得られなかった.出血部位は自然止血群+内視鏡止血群が右側12例 左側30例であったのに対し,手術群+IVR群では右側8例 左側2例と有意差(P<0.01)をもって,手術群+IVR群には右側結腸憩室よりの出血例が多かった.
【結論】右側結腸憩室よりの出血は左側結腸憩室よりの出血と比し,手術やIVRなどの治療が必要となる可能性が高いことが示唆された.
索引用語