セッション情報 | ポスター大腸 その他1 |
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タイトル | P-239:当院における内視鏡的止血術を要した下部消化管出血症例の検討 |
演者 | 澤谷 学(弘前大学消化器血液内科) |
共同演者 | 三上 達也(弘前大学光学医療診療部), 花畑 憲洋(弘前大学地域医療), 五十嵐 剛(弘前大学消化器血液内科), 千葉 大輔(弘前大学消化器血液内科), 平賀 寛人(弘前大学消化器血液内科), 珍田 大輔(弘前大学消化器血液内科), 櫻庭 裕丈(弘前大学消化器血液内科), 下山 克(弘前大学消化器血液内科), 佐々木 賀広(弘前大学医療情報部), 福田 眞作(弘前大学消化器血液内科) |
抄録 | 【目的】下部消化管出血は,臨床的によく遭遇する病態であるが,治療の遅れにより出血性ショックなど重篤な状態にいたる場合もある.当院における下部消化管出血症例の臨床的特徴について検討した.【対象】2007年1月から2012年8月までの期間に,当科で下部消化管出血に対し内視鏡的止血術を施行した46症例54回(男女比33:13,平均年齢67.7歳)で,大腸ポリープ切除後出血は検討には加えなかった.【結果】原因疾患は,急性出血性直腸潰瘍(AHRU)18例(39.1%),前立腺生検後出血8例(17.4%),大腸憩室出血8例(17.4%),angioectasia5例(10.9%),クローン病2例(4.3%),その他5例(10.9%)であった.基礎疾患は,心疾患16例,腎疾患8例(透析5例含む),遠隔転移を伴う癌5例,血液疾患3例,脳血管疾患5例,自己免疫疾患3例,肝疾患1例,多臓器不全1例(重複あり)であり,他科あるいは他院から処置を依頼された症例が32例(69.6%)と多くみられた.特に,AHRUは17例(94.4%)でPS3以上の全身状態が不良の症例が多かった.ステロイドが9例(19.7%),NSAIDsは6例(13.0%)で投与されており,20例(54.3%)で抗血栓療法がおこなわれていた.止血方法としては,クリップが46回(85.2%)と最も多く,他にangioectasiaや放射線性直腸炎にAPC焼灼,内痔核や直腸静脈瘤にEVLを施行した.AHRU5例,大腸憩室1例では2回以上の治療を要した.最終的に入院中に止血を得ないまま死亡した症例が3例,外科的処置を要した症例が2症例あった.【結語】出血点をクリッピングすることにより,大部分の症例で止血を得たが,全身状態が不良の症例で治療に難渋する場合が多かった.十分なインフォームドコンセントのもとでの治療が必要と考えられた. |
索引用語 |