セッション情報 | ポスター大腸 その他2 |
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タイトル | P-243:最近経験した特発性腸管膜静脈硬化症の3例 |
演者 | 乙黒 雄平(札幌厚生病院消化器科) |
共同演者 | 西岡 均(札幌厚生病院消化器科), 伊藤 彰洋(札幌厚生病院消化器科), 山口 将功(札幌厚生病院消化器科), 賀集 剛賢(札幌厚生病院消化器科), 西園 一郎(札幌厚生病院消化器科), 道上 篤(札幌厚生病院消化器科), 寺門 洋平(札幌厚生病院消化器科), 鈴木 肇(札幌厚生病院消化器科), 菊池 仁(札幌厚生病院消化器科), 萩原 武(札幌厚生病院消化器科), 前田 聡(札幌厚生病院消化器科), 小澤 広(札幌厚生病院消化器科), 黒河 聖(札幌厚生病院消化器科), 今村 哲理(札幌厚生病院消化器科) |
抄録 | 特発性腸間膜静脈硬化症(idiopathic mesenteric phlebosclerosis;IMP)は腸間膜静脈の石灰化による腸管循環不全が原因と考えられている稀な疾患である.今回我々は2年間で3例のIMPを経験したので文献的考察を加えて報告する.【症例1】60代女性.上部内視鏡検査で胃体部に腫瘤を認め胃癌疑いで当科紹介受診.既往に糖尿病,高血圧,高脂血症.胃体下部前壁に2型の進行胃癌を認め,生検結果はtub2 and por.腹部レントゲンでは石灰化認めず.腹部CTでも腸管壁,腸間膜の石灰化を認めなかった.下部内視鏡検査では右半結腸に暗青色の腸粘膜を認めた.生検にて粘膜固有層,特に血管周囲に膠原繊維の沈着を認め,内視鏡所見と合わせIMPと診断.胃癌に対しては手術,IMPは無症状のため経過観察している.【症例2】70代女性.検診で膵病変を指摘され精査目的に当科受診.既往に高血圧.腹部CTで腸管壁,腸間膜に石灰化を認めた.下部内視鏡検査では右側結腸に暗青色の粘膜を認め生検でIMPと診断.無症状であり経過観察している.【症例3】60代男性.主訴は下痢.既往に心房細動,陳旧性脳梗塞.初診時CTにて右側結腸の壁肥厚,腸管壁と腸間膜に石灰化を認めた.下部内視鏡検査では全結腸に暗青色の粘膜を認め,上行結腸からの生検でIMPと診断.下痢に対し整腸剤投与し経過をみている.【まとめ】3例の平均年齢は68.6歳,初発症状は下痢が1例,無症状が2例.基礎疾患は高血圧2例,糖尿病,高脂血症,心房細動,陳旧性脳梗塞1例.抗凝固薬は1例内服していた.画像検査で石灰化は2例に認めた.罹患範囲は右側結腸が2例,全結腸が1例.今回3例中1例で石灰化を認めなかった.IMPは症例が少なく進展形式など不明な点が多いが,病気の進行とともに石灰化が進むという報告もあるので,症例1は初期の病態である可能性があり,今後の経過観察がIMPの進展形式の解明に重要となるかもしれない. |
索引用語 |