セッション情報 ポスター

大腸 その他2

タイトル P-244:

内視鏡検査が有用であった骨盤直腸窩痔瘻・膿瘍の3例

演者 田中 順子(洛和会音羽病院消化器病センター)
共同演者 宮本 和明(洛和会音羽病院消化器病センター), 碓井 文隆(洛和会音羽病院消化器病センター), 二階堂 光洋(洛和会音羽病院消化器病センター), 金川 美彦(洛和会音羽病院消化器病センター), 飯沼 昌二(洛和会音羽病院消化器病センター), 趙 栄済(洛和会音羽病院消化器病センター), 加川 隆三郎(洛和会音羽病院肛門科)
抄録 当院において骨盤直腸窩痔瘻・膿瘍と診断され大腸内視鏡検査を施行した3例を対象に本疾患に対する内視鏡検査の有用性について検討した.【症例1】70歳,男性.骨盤部MRIで直腸右側に約3cm大のT2強調画像で不均一な高信号域を認めた.病変は右側骨盤直腸窩に広がっており,6時原発の骨盤直腸窩膿瘍と診断された.内視鏡検査では下部直腸に粘膜下腫瘤様隆起を認め,表面平滑な発赤調粘膜で被われていた.同時に施行した超音波内視鏡検査では,粘膜下層に境界明瞭な低エコー域を認め,さらに肛門部付近では筋層内に低エコー域が観察され,膿瘍の局在診断が可能であった.【症例2】51歳,女性.骨盤部MRIで6時方向の深外肛門括約筋に原発巣膿瘍が存在,そのまま内外肛門括約筋間を上行し,肛門挙筋上に膿瘍を形成する骨盤直腸窩痔瘻と診断された.さらにMRIで膿瘍と直腸との瘻孔が疑われた.内視鏡検査では肛門近傍下部直腸の4時方向に直腸瘻と考えられる開口部の同定が可能であった.【症例3】59歳,男性.骨盤部MRIで直腸瘻を有する骨盤直腸窩痔瘻と診断された.内視鏡検査では直腸は伸展不良であり発赤の強い隆起性病変を認めた.痔瘻治癒後に内視鏡検査を再検したところ,同部は軽度の浮腫および発赤のみの所見で直腸瘻の治癒・瘢痕化が確認できた.【考察】骨盤直腸窩痔瘻・膿瘍の肛門挙筋上への進展様式は肛門挙筋穿通型と筋間上行型に分類され,今回検討した3例はすべて筋間上行型であった.筋間上行型は肛門挙筋穿通型と比較してより直腸壁近傍に病巣が存在し,直腸に瘻孔が開口したり,粘膜面に炎症性変化をきたしやすい.それゆえ内視鏡検査あるいは超音波内視鏡検査が診断および治療効果判定に有用と考えられる.
索引用語