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大腸 その他2

タイトル P-246:

当科に於ける最近の消化管出血症例の検討

演者 奴田 絢也(東京逓信病院消化器科)
共同演者 橋本 直明(東京逓信病院消化器科), 水谷 浩哉(東京逓信病院消化器科), 田顔 夫佑樹(東京逓信病院消化器科), 大久保 政雄(東京逓信病院消化器科), 小林 克也(東京逓信病院消化器科), 関川 憲一郎(東京逓信病院消化器科), 光井 洋(東京逓信病院消化器科), 山口 肇(東京逓信病院内視鏡センター)
抄録 【はじめに】近年,抗凝固療法の普及や高齢化・独居,内視鏡治療の発達など,消化管出血を取り巻く環境は変化してきた.我々は,当科に於ける最近の消化管出血症例を検討した.【対象・方法】対象は最近17カ月間に入院治療を行った80症例.年齢性別,最低ヘモグロビン(Hb)値,抗凝固療法や鎮痛消炎薬の有無,輸血や救急搬送の有無,等を原因別に集計した.【結果】[1]原因別集計.十二指腸潰瘍(Ud)と大腸憩室出血(Dive)が共に16例(20%)で最多.続いて胃潰瘍(Uv)12例(15%),大腸ポリペクトミー後出血(Post)10例(12.5%)で,以上4疾患で54例(67.5%)だった.以下,食道疾患,虚血性腸炎,各種胃出血がそれぞれ5例ずつ,痔出血3例,小腸潰瘍2例と続いた.[2]上位4疾患の年齢分布(90歳台,80歳台,70歳台,60歳台,59歳以下)/nと男女比は,Udでは(0:2:2:6:6)/16,14:2.,Uvでは(1:3:4:1:3)/12,7:5.Diveでは(0:3:4:1:8)/16,9:7.Postでは(0:0:0:2:8)/10,8:2.と各群に特徴あり.[3]黒色便,失神をUdでは,13/16,2/16に,Uvでは8/12,3/12に認めたが,自覚しない例もあり,高齢者に多かった.Dive,Postでは全例に血便あり.[4]Hb最低値が8.9 g/dl以下の貧血症例がUdでは12/16,Uvでは10/12と多く,輸血,救急搬送がUdでは10/16,5/16,Uvでは9/12,5/12だった.一方,Diveでは4/16,Postでは1/10と少なく,輸血,救急搬送がDiveでは4/16,1/16,Postでは0/10,0/10と少数だった.[5]抗凝固療法,鎮痛消炎薬の有無.Udでは2/16,1/16,,Uvでは3/12,2/12,Diveでは4/16,1/16だった.PostではWarfarin使用例で1例止血難渋例を経験.[6]生活歴では独居・単身者がUd,Uvでそれぞれ4/16,3/10だった.【結語】原因ではUd,Uv,Dive,Postの4つで全体の約2/3を占め,独居・単身者,高齢者,抗凝固療法や消炎鎮痛薬等に留意し,Ud,Uvでは高度貧血の合併に注意が必要と考えられた.
索引用語