セッション情報 ポスター

大腸 その他2

タイトル P-247:

腸管嚢胞様気腫症の診断における大腸3D-CTの有用性の検討

演者 下村 保(亀田メディカルセンター幕張)
共同演者 永田 浩一(亀田メディカルセンター幕張), 赤羽 麻奈(亀田メディカルセンター幕張), 増田 典子(亀田メディカルセンター幕張), 藤原 正則(亀田メディカルセンター幕張), 飯田 直央(亀田メディカルセンター幕張), 茂木 智洋(亀田メディカルセンター幕張), 宅間 健介(亀田メディカルセンター幕張), 西田 紀子(亀田メディカルセンター幕張), 細沼 知則(亀田メディカルセンター幕張), 和田 亮一(亀田メディカルセンター幕張), 光島 徹(亀田メディカルセンター幕張)
抄録 【はじめに】腸管嚢胞様気腫症(PCI)は,腸管壁の粘膜下層や漿膜下層またはその両方に多数の含気性嚢胞が生ずる稀な疾患である.診断には腹部単純X線,CT,注腸X線,内視鏡検査が有用といわれている.今回,従来の検査法で診断に至らず,大腸3D-CTによってPCIの確定診断が可能であった2例の経験から本検査の有用性を検討した.【症例】症例1は,市の検診で便潜血陽性を指摘された68歳女性.症例2は,右下腹部違和感を主訴に当院受診した60歳男性.二症例とも最初に大腸内視鏡検査を行い,共に上行結腸Bauhin弁対側を中心に多発する1cm前後のSMT様隆起を認めた.二症例とも生検にて含気は確認できず,炎症性変化を認めるのみであった.その後,症例1はPCIを疑い,腹部単純CTを行うも,確定診断には至らなかったため,後日,大腸3D-CTを行った.症例2は症例1の経験から内視鏡検査に引き続き,大腸3D-CTを行った.両症例ともに大腸3D-CTの注腸類似画像で上行結腸の病変の広がりと部位を客観的に診断することができた.さらにMPR(multiple planar reconstruct)像では,大腸壁内の多数の濾胞性ガス像により,粘膜下層の気体が証明され,PCIの確定診断が得られた.【結論】大腸内視鏡検査で多発するSMT様隆起を認め,PCIを疑った場合は,大腸3D-CTは確定診断のみならず,病変の範囲を同定するうえで有用な検査法の1つといえる.
索引用語