セッション情報 ポスター

肝癌5

タイトル P-248:

進行肝細胞癌に対するソラフェニブ治療効果

演者 岩谷 修子(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科)
共同演者 葛下 典由(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科), 阿部 友太朗(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科), 井上 貴功(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科), 大西 幸作(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科), 田畑 優貴(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科), 野崎 泰俊(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科), 井上 浩一(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科), 澁川 成弘(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科), 石井 修二(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科), 西山 範(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科), 春名 能通(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科), 井上 敦雄(大阪府立急性期総合医療センター消化器内科)
抄録 【目的】当院における進行肝細胞癌に対するソラフェニブ投与の現状について検討する.【方法】2009年5月から2012年7月の間に当院でソラフェニブを使用した進行肝細胞癌32症例の背景,投与量,投与期間,生存期間,有害事象等についてまとめた.【結果】対象32例の平均年齢は74歳で,男性23例,女性9例であった.Child-Pugh分類はA 28例,B 4例.背景肝の成因はHBs抗原陽性4例,HCV抗体陽性20例,アルコール性2例,non B non C 6例であった.投与開始量は32例中28例(87.5%)において1日800mgで開始した.投与期間中央値は2.0カ月(1.1~28.3カ月)だが,2カ月以内で中止となった17例の内9例が減量なしで中止となっている.しかし,6カ月以上投与した9例の内8例は減量および休薬を行っている.現在投与継続しているのは5例で平均7.6カ月(1.1~14カ月)であるが,3例で減量および休薬を行っている.32例の全生存期間中央値(OS)は9.0カ月(最長31.3カ月)であり,6ヶ月以上生存した症例は32例の内19例(59.4%)である.有害事象はgrade3以上の非血液学的毒性は高血圧症2例,手足皮膚反応8例,皮疹3例,出血1例で,血液学的毒性は血小板減少2例であった.Grade3以上の臨床検査値変動は,リン低下1例,肝酵素上昇9例,膵酵素上昇7例であった.【結論】当院の特徴としては,初期に生じる副作用のために投与開始後すぐに中止を行う例が多いことにより投与期間中央値が2.0カ月と短いことが挙げられる.しかし,現在治療継続中の5症例も早期に副作用が出現しているが,一旦減量,または休薬を行うことにより副作用が軽減した.そのため投与継続,または再投与可能であり,平均7.6カ月(1.1~14カ月)と長期に及んでいる.ソラフェニブ投与直後に副作用が出現しても適確な減量および休薬,対応を行うことにより,長期に投与でき延命が期待される症例も少なからず存在することが示された.
索引用語