セッション情報 ポスター

肝癌5

タイトル P-251:

肝癌のソラフェニブによる多型紅斑に対する減感作療法の試み

演者 廣畑 成也(兵庫県立加古川医療センター消化器内科)
共同演者 尹 聖哲(兵庫県立加古川医療センター消化器内科), 白川 裕(兵庫県立加古川医療センター消化器内科), 塩澤 寛子(兵庫県立加古川医療センター消化器内科), 八幡 晋輔(兵庫県立加古川医療センター消化器内科), 﨏本 喜雄(兵庫県立加古川医療センター消化器内科), 大内 佐智子(兵庫県立加古川医療センター消化器内科), 堀田 和亜(兵庫県立加古川医療センター消化器内科), 足立 厚子(兵庫県立加古川医療センター皮膚科)
抄録 【目的】ソラフェニブは長期投与することが生存期間の延長につながるが,有害事象のため減量休薬の頻度が高く代替治療がないにもかかわらず十分な投与ができずに治療を断念せざるを得ない症例を経験する.そのうち多型紅斑は約2%の症例で減量休薬の原因となっている.今回我々は多型紅斑を合併し休薬したが減感作療法にて治療継続可能となった症例を経験したので報告する.【方法】対象はソラフェニブ800mgで開始したが多型紅斑出現したため休薬した3例.紅斑の消退後,堀川らの方法に準じて急速減感作療法を行った.ソラフェニブを粉砕し希釈懸濁液を作成.Day1は20ngから80 ngまで段階的に濃度を上げて4回投与(計200ng)し,day2以降は前日の10倍量に漸増し,day9に800mgとし以後継続投与した.途中で紅斑が再燃した場合は増量を中止しPSL内服を併用し紅斑軽減確認後再増量を行った.【成績】症例1 64歳男性.肝癌骨転移にて800mgで開始し5日目から紅斑出現し13日目に中止.RTにて一旦縮小するも増悪したため7ヶ月後に200mgにて再投与試みたが翌日に紅斑出現したため休薬.消退後減感作療法開始し6日目に紅斑が再燃したがPSL10mg併用にて消退したため800mgまで増量し以後現在まで8ヶ月投与継続中.症例2 78歳男性.TACE不応にて800mgで開始し13日目から紅斑出現したため中止.減感作療法とPSL併用でPDで中止となるまで4ヶ月継続可能.症例3 72歳女性.肝癌肺転移にて800mgで開始し12日目から紅斑出現したため中止.減感作療法とPSL併用でPDで中止となるまで2ヶ月継続可能.【結論】多型紅斑によりソラフェニブを休薬したが減感作療法とPSL併用により3例全例で初期投与量まで増量,継続投与することができた.今後TACE,動注との併用などソラフェニブ投与患者が増えることが予想されるが,多型紅斑出現時の対処として減感作療法は有用な手段の一つとなりうると考えられる.
索引用語