セッション情報 ポスター

肝癌6

タイトル P-255:

ミリプラチンを用いたTACEにおける投与法の差による肝機能への影響の検討

演者 三浦 隆生(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科分野)
共同演者 小川 眞広(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科分野), 塩澤 克彦(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科分野), 阿部 真久(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科分野), 松本 直樹(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科分野), 中河原 浩史(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科分野), 大城 周(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科分野), 山本 敏樹(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科分野), 田中 直英(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科分野), 森山 光彦(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科分野)
抄録 【目的】肝細胞癌に対する内科的治療方法として集学的治療法の一つとして肝動脈塞栓療法(Transcatheter Arterial Chemoembolization:TACE)がある.近年白金系制癌剤ミリプラ用懸濁用液4ml(ミリプラチン)は,近年TACEに用いられるようになっている.当施設では,再発症例などのTACEの際マイクロバルーン閉塞下肝動脈塞栓術(Balloon occluded trance arterial embolisation:B-TACE)を用い良好な抗腫瘍効果を得ている.そこで今回我々は,通常のTACEとB-TACEにおける術後の肝機能に与える影響について比較検討を行ったので報告をする.
【方法】対象は2010年4月より当院でミリプラチンを用いたTACE症例29症例とB-TACE症例32症例である.使用薬剤は,ミリプラチンと塞栓物質にはジェルパート(多孔性ゼラチン粒)1mmである.これらの症例に対し,背景因子,腫瘍因子,および治療前,後1,3,7,14,30日の生化学データ(T-Bil,AST,ALT,PT)の推移を比較検討した.
【結果】背景因子の検討では,B-TACE群では過去治療歴があるものに施行されているため過去治療歴に関して有意差を認めたが,その他年齢,男女比,肝癌ステージ,腫瘍マーカーの因子では有意差は認めなかった.肝機能データの評価では,約1週間をピークとしてその後改善傾向を認め,両群共に同じ推移を示していた.AST,ALTの変化においてグレード4の症例は両群共に認めず,グレード3の症例は,B-TACE群15.6%,通常のTACE17.2%であり有意差は認めなかった.
【まとめ】ミリプラチンを用いたB-TACEは,通常のTACEと比較しても術後の肝機能悪化は認めず,今後のTACEにおける選択肢の一つになり得ると考えられた.
索引用語