セッション情報 ポスター

肝癌6

タイトル P-257:

肝動脈化学塞栓術不応肝細胞癌に対するone-shot CDDP肝動注療法の成績

演者 鎌田 健太郎(秋田大学消化器内科)
共同演者 後藤 隆(秋田大学消化器内科), 三浦 光一(秋田大学消化器内科), 大嶋 重敏(秋田大学消化器内科), 佐藤 亘(秋田大学消化器内科), 渋谷 友美(秋田大学消化器内科), 道免 孝洋(秋田大学消化器内科), 金田 遼(秋田大学消化器内科), 酒井 利隆(秋田大学消化器内科), 千葉 充(秋田大学消化器内科), 杉本 侑孝(秋田大学消化器内科), 戸沢 智樹(秋田大学消化器内科), 大西 洋英(秋田大学消化器内科)
抄録 【目的】当院では肝動脈化学塞栓術(TACE)不応となった進行肝細胞癌(HCC)に対して微細粉末型CDDP製剤であるIA-call(R)を用いたone-shot動注療法を行っている.また十分にInformed Consentを行い同意が得られた症例についてはソラフェニブとの交替療法,肺転移を有するStagIVb症例には気管支動注併用療法を行っている.今回,当院におけるTACE不応HCC患者に対するone-shot動注療法の有用性および安全性についてRetrospectiveに解析を行った.【方法】2009年2月から2012年4月までにTACE不応となり,one-shot CDDP肝動注療法を施行した20例を対象とした.患者背景は年齢中央値72歳(51-81歳).男性14例,女性6例.背景肝はHCV15例,HBV3例,アルコール性2例.Child-pughA9例,B11例.TACE治療回数中央値4回(1-11回).進行度はStageII2例,III6例,IVa4例,IVb8例.門脈腫瘍栓なし10例,あり10例.治療法はIA-call(R)50-65mg/m2を20-40分かけて腫瘍栄養動脈へカテーテルから動注した.治療可能な限り4-8週毎に繰り返し行った.併用療法に関しては,併用治療なし14例,気管支動注併用2例,気管支動注併用+ソラフェニブ交替療法3例,放射線治療1例であった.【結果】治療効果はCR0例,PR3例(15%),SD5例(25%),PD12例(60%)で奏功率15%,病勢制御率40%であった.副作用は血球減少11例,食欲不振8例,悪心嘔吐8例,アルブミン低下3例,ビリルビン上昇3例,PT活性低下5例,クレアチニン上昇2例であった.いずれもGrade1,2程度で,副作用による治療中止例は認めなかった.【結論】TACE不応となった進行HCCに対するone-shot動注療法は安全に施行でき,気管支動注併用やソラフェニブとの交替療法にも認容性があると考えられた.ChildB症例やソラフェニブ無効例,StgaIVb症例でも病勢を制御できる可能性があり,今後も症例の蓄積が必要であると考えられた.
索引用語