セッション情報 ポスター

肝癌6

タイトル P-258:

進行肝細胞癌に対するUFT併用シスプラチン肝動注療法

演者 本田 琢也(長崎大学病院消化器内科/がん診療センター)
共同演者 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 高原 郁子(長崎大学病院消化器内科), 内田 信二郎(長崎大学病院消化器内科), 加茂 泰広(長崎大学病院消化器内科), 妹尾 健正(長崎大学病院消化器内科), 吉村 映美(長崎大学病院消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院消化器内科), 田浦 直太(長崎大学病院消化器内科), 芦澤 和人(長崎大学大学院臨床腫瘍学講座/長崎大学病院がん診療センター), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科)
抄録 【背景・目的】切除不能,局所療法,TACE不応な進行肝細胞癌に対して,ソラフェニブが一般に使用されるが,その使用はChild-Pugh分類Aの症例に限られ,またSHARP試験における生存期間中央値は10.7か月と十分でない.さらに一般臨床において有害事象による治療中止も少なくない.しかしながらソラフェニブ非適応の症例やソラフェニブ不応・不耐の症例に対する確立した治療法はない.今回我々はそのような症例のうちUFT併用シスプラチン肝動注療法(IAC+UFT療法)をおこなった症例について検討した.【方法】当科において2012年2月から2012年6月までに,ソラフェニブ治療が無効あるいは中止となった症例およびソラフェニブが導入困難であったChild-Pugh分類AまたはBの症例7例に対し,IAC+UFT療法(UFT300~600mg/日,連日,肝動注用シスプラチン65mg/m2,6週毎)をおこない,抗腫瘍効果,無増悪生存期間(PFS),有害事象等について検討した.【結果】男/女;17/0例,年齢中央値68.0(48-81歳),正常肝/慢性肝炎/肝硬変;0/4/3例,成因はHBV/HCV/NBNC;2/3/2例,Child-Pughスコア5/6/7/8;0/2/4/1例,治療開始時StageII/III/IVa/IVb;1/1/5/0例,UFT初回投与量300mg/400mg/450mg;2/4/1例,初回動注シスプラチン用量は全例100mg/bodyであった.観察期間中央値は137日(86~212日).最良治療効果PR/SD/PD;1/5/1例.無増悪生存期間中央値は136日.Gr3以上の有害事象は,好中球減少(3例43%),白血球減少(2例29%),貧血(2例29%),血小板減少(1例14%),ビリルビン高値(1例14%),腹水(1例14%).ビリルビン高値と腹水は同じ症例で,著明な腫瘍増悪に伴うものと考えられた.【結語】IAC+UFT療法はソラフェニブ非適応の症例やソラフェニブ不応・不耐の症例において,有効な可能性があり,忍容可能な治療法と思われる.
索引用語