セッション情報 | ポスター膵癌 化学療法1 |
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タイトル | P-260:高齢者における切除不能膵癌に対する化学療法の検討 |
演者 | 田原 純子(東京女子医科大学消化器内科) |
共同演者 | 清水 京子(東京女子医科大学消化器内科), 向井 彩子(東京女子医科大学消化器内科), 貝瀬 智子(東京女子医科大学消化器内科), 塩賀 太郎(東京女子医科大学消化器内科), 門前 正憲(東京女子医科大学消化器内科), 長尾 健太(東京女子医科大学消化器内科), 高山 敬子(東京女子医科大学消化器内科), 白鳥 敬子(東京女子医科大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】近年の高齢化に伴い膵癌患者の占める割合が増加傾向にあるが,高齢者の治療効果についての報告は少ない.今回我々は,2005年1月から2011年5月までに当科で経験した70歳以上の高齢者における切除不能膵癌の化学療法について検討を行った.【方法・対象】performance status(PS)2以下の切除不能膵癌患者43例(stageIVa21例,stageIVb22例)を対象とした.内訳は男性20例,女性23例であり,平均年齢は75歳であった.Gemcitabine(GEM)単独群21例,S-1単独群16例,GEM+S-1併用群6例で治療効果,延命効果,有害事象について比較検討した.投与方法は,GEM単独群で3週投与1週休薬あるいは1週投与1週休薬投与を行い,S-1単独群で4週投与2週休薬あるいは2週投与1週休薬投与を行った.GS群はday 1,15投与(GEM),2週投与2週休薬(S-1)で投与した.【結果】合併症などにより,GEM単独群で9例,S-1単独群で5例に80%doseで減量投与した.治療効果は奏効率が各々で9.5%,18.7%,16.7%であり,1年生存率は35%,12.5%,33.3%であった.病勢コントロール率は47.6%,62.5%,83.3%であった.有害事象はGrade 3以上の血液毒性が9.5%,0%,16.7%であった.【考察】GEM+S-1併用群はGEM単独群と比較し奏効率は高いが,1年生存率に変化が認められなかった.高齢者の化学療法では,投与方法や投与量の減量により,非高齢者と比較しても血液毒性の出現率は高くなく,許容できるものであった.【結語】高齢者における切除不能膵癌患者においても,投与方法や投与量を考慮することで,安全に治療を行うことが可能と考えられた. |
索引用語 |