セッション情報 | ポスター膵癌 化学療法1 |
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タイトル | P-261:80歳以上の超高齢者に対する膵癌の治療選択 |
演者 | 又木 雄弘(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科) |
共同演者 | 新地 洋之(鹿児島大学医学部保健学科), 前村 公成(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 蔵原 弘(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 桑畑 太作(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 川崎 洋太(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 上野 真一(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 迫田 雅彦(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 飯野 聡(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 高尾 尊身(鹿児島大学フロンティアサイエンス研究推進センター), 夏越 祥次(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科) |
抄録 | はじめに:今回,当科で経験した80歳以上の超高齢膵癌患者をretrospectiveに検討し,その治療方針について検討したので報告する.対象と方法:06年7月-12年2月に,当科入院膵癌患者208例を対象とした.年齢:41-87歳(平均67歳),男性124例,女性84例.腫瘍局在はPh127例,Pb73例,Pt8例.腫瘍径:8-116mm(平均35mm).UICC分類でstage2a 27例(13%),stage2b15例(7%),stage3 93例(45%),stage4 73例(35%).治療別で,化学療法が92例(44%),化学放射線療法(CRT)66例(31%),手術43例(20%),7例(2%)Best supportive care(BSC).方法:80歳以上(18例)と80歳未満(190例)に大別し,臨床病理学的因子・治療方針・予後を解析し,比較検討を行った.結果:1.80歳以上と未満で,性別,腫瘍局在,腫瘍径,stage,CEA,CA19-9,FDG-PETのSUVmax値で,有意差を認めなかった.Performance status(PS)は,80歳以上症例でPS2,3の割合がPS0,1に比べ有意に大きかった(p<0.0001).2.治療別で,80歳未満は手術・CRTいわゆる局所療法が半数以上で,80歳以上は23%で,BSCが多かった.3.80歳以上で,PS2,3症例7例のうち5例でBSCであった.4.18例中12例が死亡していたが,脳出血の1例を除きすべて癌死であった.5.術後補助化学療法を含め,11例に化学療法を行っていたが,化学療法の投与期間は2-28か月(平均8.4か月)であり,最終投与から死亡までの期間は2-6か月(平均4か月)であった.6.PS別の生存期間を比較すると,PS0,1はPS2,3に比べ有意に予後良好であった(p=0.0003).7.治療別の生存曲線を比較すると,手術,化学療法,CRTいずれかの治療を行ったほうが,BSCより予後良好であった.まとめ:1.超高齢の膵癌患者では,ADLや体力等を充分考慮し,個々の症例に見合った無理のない治療計画を建てることが重要と思われる.2.ただし,ADLを見極めたうえで,積極的に加療を加えることが,予後向上に寄与しえる. |
索引用語 |