セッション情報 | ポスター膵癌 化学療法1 |
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タイトル | P-263:切除不能膵癌に対する内視鏡的細胞診・組織診の現状 |
演者 | 石田 祐介(久留米大学消化器内科) |
共同演者 | 岡部 義信(久留米大学消化器内科), 佐々木 優(久留米大学消化器内科), 牛島 知之(久留米大学消化器内科), 杉山 元(久留米大学消化器内科), 安元 真希子(久留米大学病理学), 多比良 朋希(久留米大学病院病理部), 鹿毛 政義(久留米大学病院病理部), 鶴田 修(久留米大学消化器内科), 佐田 通夫(久留米大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】当院におけるEUS-FNA導入前後の切除不能膵癌に対する内視鏡的細胞診・組織診の診断能を検証し,診断アルゴリズムの妥当性を明らかにする.【対象および方法】内視鏡的細胞診・組織診を行った切除不能膵癌249例を対象とした.当院では,EUS-FNAを本格的に導入した2007年以前は原則的にERCP下に検体を採取している.2007年以降は,胆道ドレナージが必要な症例に対してはドレナージの際にERCP下検体採取を行い,ドレナージが必要でない症例に対してはEUS-FNAにより検体採取を行った.ERCP下検体採取では胆汁・膵液の吸引採取,擦過細胞診,生検のいずれかを施行している.細胞診でClass 4以上または組織診で“癌疑い”以上を癌陽性と定義し,2002-2006年を前期・2007-2012年を後期として,各検体採取法の癌陽性率を検証した.また各検体採取法の合併症の頻度も検証した.【成績】前期では全例ERCP下に検体が採取されており,癌陽性率は60.4%(61/101)であった.後期における癌陽性率は75.6%(112/148)で,その内訳としてERCP下検体採取を先行した症例が89例,初回からEUS-FNAを施行した症例が59例であり,癌陽性率はそれぞれ48.3%(43/89),94.9%(56/59)であった.ERCP下検体採取で癌陽性が得られなかった症例の18例でEUS-FNAを施行しており,癌陽性率は72.2%(13/18)であった.EUS-FNAの癌陽性率は89.6%(69/77)であった.合併症は前期に13.9%(14/101)・後期に8.1%(12/148)発生しており,内訳は前期にERCP後膵炎13例(高Amy血症・軽症12例,中等症1例)・EST後出血1例,後期にERCP後膵炎11例(高Amy血症・軽症10例,中等症1例)・EUS-FNA後の膵炎1例であった.【結論】集学的治療を予定する切除不能膵癌に対しての内視鏡的細胞診・組織診は,EUS-FNAを導入することにより癌陽性率が向上し合併症の発生も低下する. |
索引用語 |