セッション情報 ポスター

膵癌 化学療法1

タイトル P-264:

当院における高齢膵癌患者治療における現状

演者 中田 悠紀(大阪厚生年金病院内科)
共同演者 加藤 幹那(大阪厚生年金病院内科), 加藤 穣(大阪厚生年金病院内科), 日比野 千尋(大阪厚生年金病院内科), 塩出 悠登(大阪厚生年金病院内科), 村井 一裕(大阪厚生年金病院内科), 甲斐 優吾(大阪厚生年金病院内科), 城 尚志(大阪厚生年金病院内科), 松村 有記(大阪厚生年金病院内科), 武田 梨里(大阪厚生年金病院内科), 森田 理恵(大阪厚生年金病院内科), 北 久晃(大阪厚生年金病院内科), 貫野 知代(大阪厚生年金病院内科), 西塔 民子(大阪厚生年金病院内科), 千葉 三保(大阪厚生年金病院内科), 前田 晃作(大阪厚生年金病院内科), 内藤 雅文(大阪厚生年金病院内科), 道田 知樹(大阪厚生年金病院内科), 伊藤 敏文(大阪厚生年金病院内科)
抄録 【目的】現在,進行膵癌に対する治療は外科手術,化学療法,放射線化学療法などが選択されているが,高齢者においては全身状態や併存疾患などにより積極的治療は選択されずBest supportive care(BSC)となることも少なくない.そこで当院における高齢の膵癌患者をretrospectiveに解析し,高齢膵癌患者の治療法について検討を行った.【方法】2008年5月より2011年11月までに当院において診断から死亡までを追跡しえた70歳以上の進行膵癌患者30例についてretrospectiveに検討した.【結果】高齢膵癌患者のうち何らかの化学療法を行ったのは18例であり,その生存期間中央値(MST)は10.4ヶ月であった.BSCであったのは8例で,MSTは11.6ヶ月であった.また根治的外科手術を施行した症例は4例で,MSTは20.1ヶ月であった.各群間の全生存期間(OS)に有意差は認めなかったが,手術群において延長する傾向を認めた.各群における背景因子に有意差はなかったが,外科手術群は低年齢である傾向を認め,BSC群には手術可能とされるStage2が1例含まれていた.また,BSC群と化学療法群において減黄治療を必要とした症例はそれぞれ3/8例(37.5%),9/18例(50%)であり,減黄処置の有無によるOSの有意差は認めなかった.BSC群において遠隔転移のない患者群は遠隔転移を有する群に比べて優位に生存期間が長かった.【結論】BSCとなった高齢の膵癌患者のOSは化学療法群とほぼ差のない結果であった.後ろ向きのデータ解析によるものであり,患者背景の差異,癌の病理学的診断がなされていない等の問題点はあるが,侵襲的な診断検査に伴う合併症や化学療法による有害事象によるQOLの低下を考慮すると,BSCも高齢患者の治療選択肢の一つであると考える.
索引用語