セッション情報 | ポスター膵癌 化学療法2 |
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タイトル | P-268:当院における膵癌化学療法に対する現状と課題 |
演者 | 渡邊 一雄(福山医療センター消化器内科) |
共同演者 | 豊川 達也(福山医療センター消化器内科), 友田 純(福山医療センター消化器内科), 表 静馬(福山医療センター消化器内科), 岡本 明子(福山医療センター消化器内科), 宮阪 梨華(福山医療センター消化器内科), 堀井 城一朗(福山医療センター消化器内科), 藤田 勲生(福山医療センター消化器内科), 寺尾 正子(福山医療センター消化器内科), 村上 敬子(福山医療センター消化器内科), 坂田 達朗(福山医療センター消化器内科) |
抄録 | 【目的】膵癌診療においてGemcitabine(GEM)とTS1の登場により,生命予後は改善されたが依然長期生存は厳しい.当院の膵癌症例について化学療法施行例を中心にまとめ,現状把握と課題につき検討を行なった.【方法】2006年1月から2011年12月までに当院にて診断・治療した膵癌症例のうち非切除症例101例を対象とし,患者背景,治療成績,生命予後につき検討を行った.生存分析にはKeplan-Meire法(Logrank test)を,予後予測因子の同定にはCOX回帰分析を用い,p<0.05を有意とした.【結果】全症例101例の患者背景は,男/女:51/50例,平均年齢72.9歳,頭部/体尾部56/45例,StageI/II/III/IVA/IVB:2/2/7/20/70例であった.初回化学療法施行群は52例で内訳はGEM単剤/CRT(5FUorGEM+RT)→GEM単剤/TS1+GEM/TS1単剤:52/4/3/3例であった.BSC(Best supportive care)群は39例であった.治療成績は,化学療法群はBSC群より有意にMST(median survival time)の延長を認めた(MST:8.2M vs 3.3M HR0.342 95%CI 0.217-0.541 p<0.01).1年生存率,2年生存率はそれぞれ30.1%/3.4%,4.5%/0%であった.化学療法群の奏功率は25.4%,PR/SD/PD:17/17/28例で,SD群とPD群に生存期間に有意差を認めた(MST:11.3M vs 4.3M HR0.0.226 95%CI 0.742-3.540 p<0.01).2次化学療法移行率は58.7%で,1次治療群のみと比較して有意に生存期間の延長を認めた(MST:11.4M vs 5.4M HR0.332 95%CI 0.183-0.602 p<0.01).化学療法群の6.4%がGEMの有害事象によりGEM投与中止を余儀なくされた.独立した予後予測因子は,多変量解析にて化学療法の有無,腫瘍位置,遠隔転移の有無が示された.【結論】当院における検討ではSD以上を維持することで,化学療法群は有意に膵癌の予後を改善することが示された.2次化学療法は有用と思われるが,GEMとTS1の使い分けや2次治療への切り替えのタイミングについては統一されたものがなく,今後の課題と思われた. |
索引用語 |