セッション情報 ポスター

膵癌 化学療法2

タイトル P-269:

当院における切除不能進行膵癌に対する治療の現状と成績

演者 津田 喬之(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科)
共同演者 東 俊二郎(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 野口 未央(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 松本 久和(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 籔内 洋平(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 岩上 裕吉(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 太田 彩貴子(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 信岡 未由(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 三上 貴生(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 三長 孝輔(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 李 宗南(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 谷口 洋平(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 中村 文保(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 中谷 泰樹(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 赤松 拓司(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 浦井 俊二(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 瀬田 剛史(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 上野山 義人(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 山下 幸孝(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科)
抄録 【目的・方法】予後不良である切除不能進行膵癌に対しよりよい治療方針を探るため,2002年以降当院で加療した切除不能進行膵癌258例(局所進行83例,遠隔転移175例)を対象とし,retrospectiveに検討を行った.【結果】一次治療の内訳は局所進行群では放射線化学療法(CRT)11例,化学療法(CT)47例(GEM(G)25例・S-1(S)10例・S-1+GEM(GS)11例),BSC25例であり,遠隔転移群ではCRT4例,CT112例(G49例・S20例・GS48例),BSC59例であった.CRTとCT間の検討(局所進行群のみ)では,生存期間中央値(MST)がCRT群372日・CT群278日と,CRT群のほうがMSTが長い傾向にあった.有害事象による早期一次治療中止率(1ヶ月以内)は順に18.2%・19.1%であり両群で同等であった.CTの一次治療別の検討ではMSTはG群192日・S群179日・GS群218日とほぼ同等であった.有害事象による早期一次治療中止率は順に16.7%・31%・31.6%とG群で少ない傾向があった.G・Sの2剤を投与できた群と1剤のみの投与であった群を比較するとMSTはそれぞれ256日・143日であり,2剤投与可能群のほうがMSTが長い傾向があった.2剤投与可能群の中で逐次投与群と併用投与群とを比較するとMSTはそれぞれ333日・218日であり,逐次投与群のほうがMSTが長い傾向があった.また,治療早期予後予測の試みとしてCA19-9比(治療1か月後CA19-9/治療前CA19-9)につき検討を加えたところ,CA19-9比1.5をcut offとした場合に有意に生存曲線の差を認めた.加えて2年以上の長期生存はCA19-9比<0.5の症例でのみ認められていた.【結論】局所進行群でのCRTの有用性,化学療法におけるGS2剤の順次投与の有用性,治療早期予後予測としてのCA19-9比の有用性が示唆される結果であった.今後これらの結果の検証のため前向きの検討が必要と考えられた.
索引用語