セッション情報 ポスター

膵癌 化学療法2

タイトル P-270:

当科における切除不能膵癌の現状

演者 上田 晃之(福井県済生会病院内科)
共同演者 松田 尚登(福井県済生会病院内科), 真田 拓(福井県済生会病院内科), 新 浩一(福井県済生会病院内科), 渡邊 弘之(福井県済生会病院内科), 野ツ俣 和夫(福井県済生会病院内科), 登谷 大修(福井県済生会病院内科), 田中 延善(福井県済生会病院内科)
抄録 【目的】2001年に塩酸Gemcitabine(GEM)が膵癌に対しての保険適応を得て以降,GEMは非切除膵癌症例に対する治療の中心となっている.当科での切除不能膵癌に対する化学療法においてもGEMを中心として使用しており,近年ではS-1,Erlotinib,放射線治療などの併用により長期生存を認めた例も経験している.切除不能膵癌に対する化学療法開始後に2年以上の生存を認めた例を長期生存例と定義し,切除不能膵癌の現状につき総括する.【方法】2006年1月から2012年7月までに当科にて膵癌と診断した194例中,切除不能膵癌と診断した141例を対象とした.対象例のうち長期生存例は7例であった.長期生存例における治療経過,治療成績を総括し,非長期生存例との検討を加えた.【結果】症例の内訳は男性3例,女性4例.診断時の年齢は中央値72歳(58-82歳).診断時のUICC StageはIII 5例,IV 2例.組織学的に確定診断の得られた症例は0例であった.初回治療選択は化学療法4例,化学放射線療法1例,放射線療法1例,であった.無治療例を除くすべての症例で,初回化学療法にはGEM単剤を使用した.治療効果判定はPR 3例,SD 3例であった.対象例での治療経過で薬剤耐性を疑った際には薬剤変更を実施しており,6例全例でS-1を使用した.治療を実施したいずれの症例も治療期間内に一定の治療効果を認めていた.【結論】切除不能膵癌に対する治療の現状を総括した.長期生存が得られた症例では一定の局所制御が得られていた.現在はErlotinibが使用可能となっており,同治療成績も含め報告する.
索引用語