セッション情報 | ポスター膵癌 化学療法2 |
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タイトル | P-273:切除不能進行膵癌に対する治療成績 |
演者 | 神戸 大介(奈良県立奈良病院消化器内科) |
共同演者 | 中谷 敏也(奈良県立奈良病院消化器内科), 藤永 幸久(奈良県立奈良病院消化器内科), 関 建一郎(奈良県立奈良病院消化器内科), 才川 宗一郎(奈良県立奈良病院消化器内科), 澤田 保彦(奈良県立奈良病院消化器内科), 永松 晋作(奈良県立奈良病院消化器内科), 下里 直隆(奈良県立奈良病院消化器内科), 松尾 英城(奈良県立奈良病院消化器内科), 菊池 英亮(奈良県立奈良病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】切除不能進行膵癌は,化学療法により生存期間の延長が得られてきているが,未だ満足できるものでない.現状でよりよい治療方針を探るため,当院での治療の現状と成績について報告する.【方法】2001年以降,当院で診断した膵癌93例のうち,経過観察し得た切除不能進行膵癌42例を対象としretrospectiveに検討を行った.対象は膵管癌に限定し,IPMCと考えられる7例,膵腺房細胞癌1例は対象から除外した.検討項目は,背景因子,治療方法,生存率とした.【結果】患者背景は,男性/女性=26/16,年齢中央値72歳(39-84歳),Stage4a 10例,Stage4b 32例であった.PSは0-1/2/3が40/1/1例であった.初回治療内容は,Stage4a群では10例中,化学療法が8例(GEM 5例,S-1 2例,GEM+S-1 1例)であり,2例がBSCであった.Stage4b群では32例中,化学療法が24例(GEM 19例,GEM+S-1 5例)で,8例がBSCであった.Stage別に治療成績を検討した.生存期間中央値/1年生存率は,Stage4a群で化学療法群311日/25%(GEM 335日/40%,S-1 144日/0%,GEM+S-1 324日/0%),BSC群136.5日/0%であった.Stage4b群で,化学療法群170日/8.3%(GEM 143日/10.5%,GEM+S-1 175日/0%),BSC群65.5日/0%であった.いずれもBSC群と比較し化学療法群では有意な生存期間延長が認められた.化学療法別に治療成績を検討すると,GEM群ではResponse Rate(RR)4.2%,Disease Control Rate(DCR)29.2%であった.GEM総投与量と生存期間を検討すると,両者の間には強い相関関係がみられた.S-1群ではRR 0%,DCR 0%であり,GEM+S-1群ではRR 0%,DCR 33.3%であった.S-1を用いた症例数が少なく統計的な有意差は認められないが,GEM+S-1ではDCRは保たれる傾向にあった.【結論】多施設でも報告されているように,切除不能進行膵癌に対してGEMは有効であることが示された.S-1およびGEM+S-1に関しては,今後更なる症例数を用いた検討が必要である. |
索引用語 |