セッション情報 ポスター

膵癌 化学療法3

タイトル P-277:

進行膵癌におけるゲムシタビン+エルロチニブ療法の経験

演者 上野 誠(神奈川県立がんセンター消化器内科肝胆膵)
共同演者 小林 智(神奈川県立がんセンター消化器内科肝胆膵), 大川 伸一(神奈川県立がんセンター消化器内科肝胆膵), 安藤 知子(神奈川県立がんセンター消化器内科肝胆膵), 亀田 亮(神奈川県立がんセンター消化器内科肝胆膵)
抄録 【背景】本邦において進行膵癌にエルロチニブが承認された.ゲムシタビンとエルロチニブの併用療法は,欧米の第III相試験で延命効果が証明されたが,その差がわずかであること,間質性肺炎や皮疹の副作用があること,高額であることから,標準治療として位置づけるかどうか意見のわかれる治療である.特に本邦のII相臨床治験では,8.5%に間質性肺炎を認めたとされ,保険承認後の実臨床における治療成績が注目されている.【目的】当院における進行膵癌患者でのゲムシタビン+エルロチニブ併用療法(GE療法)の治療成績について検討した.【対象および方法】対象は当院にてGE療法を導入し,3か月以上観察した24例である.年齢45-80歳,性別:男性14例,女性10例,PS:PS0 9例,PS1 15例.Stage 4a 6例,4b 16例,再発2例.治療効果,有害事象について検討した.【結果】RECISTによる腫瘍縮小効果(最良効果)は,PR 1例,SD 15例,PD 8例.無増悪生存期間中央値124日,生存期間中央値は未到達(平均235日).Grade3/4有害事象は,白血球減少1例,好中球減少4例,血小板減少3例,貧血3例.皮疹Grade 1/2を19例に認め,間質性肺炎Grade 2を1例に認めた.【まとめ】安全性については,国内II相試験とほぼ同等の成績と考えられ,安全性の面からGE療法は実臨床においても十分施行可能な治療である.GE療法の特徴としては,皮疹に加え,貧血の割合が高いと考えられた.有効性について,本検討のみでその有用性を述べることは出来ないが,既報の第III相試験と遜色ない成績であった.
索引用語