セッション情報 ポスター

膵癌 化学療法3

タイトル P-278:

当科における進行膵癌に対するエルロチニブ+ゲムシタビン併用療法の検討

演者 毛利 久継(金沢大学附属病院がん高度先進治療センター)
共同演者 大坪 公士郎(金沢大学附属病院がん高度先進治療センター), 山下 要(金沢大学附属病院がん高度先進治療センター), 石川 大輔(金沢大学附属病院がん高度先進治療センター), 南條 成輝(金沢大学附属病院がん高度先進治療センター), 竹内 伸司(金沢大学附属病院がん高度先進治療センター), 衣斐 寛倫(金沢大学附属病院がん高度先進治療センター), 山田 忠明(金沢大学附属病院がん高度先進治療センター), 安本 和生(金沢大学附属病院がん高度先進治療センター), 北川 裕久(金沢大学附属病院消化器・乳腺外科), 太田 哲生(金沢大学附属病院消化器・乳腺外科), 矢野 聖二(金沢大学附属病院がん高度先進治療センター)
抄録 【目的】切除不能進行膵癌は極めて予後の不良な疾患である.本邦における膵癌に対する薬物療法としては,従来ゲムシタビンとS-1以外には有力な薬剤が乏しい状況が続いていた.このような中,国内外の臨床試験の結果をうけ,2011年7月に上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤であるエルロチニブが,膵癌に対する治療薬として承認された.今回我々は,当科におけるエルロチニブ+ゲムシタビン併用療法の治療成績について検討した.【方法】切除不能進行膵癌に対し,1次治療として前記併用療法を施行した6例を対象に,成績をretrospectiveに検討した.投与量および投与法に関しては,エルロチニブは100mgを連日,ゲムシタビンは1000mg/m2をday1,8,15,4週毎とした.【結果】患者背景は,男性4例,女性2例,平均年齢60歳(47-79歳),組織型は腺癌5例,不明1例であった.またPS(ECOG)は0が3例,1が3例,臨床病期はIVa 1例,IVb 5例であった.なお1例を除き全例過去の喫煙者であったが,画像上明らかな肺気腫は認めなかった.抗腫瘍効果はCR,PRは1例も存在せず,SD 3例,PD 3例で,SD症例3例中2例で疼痛の緩和が得られた.有害事象としては,ざ様皮疹が全例でみられた(Grade1:4例,Grade2:2例).国内臨床試験で8.5%と高率に発症し,危惧されていた間質性肺疾患(ILD)が1例でみられ,ステロイド投与により改善をみせたものの,後日敗血症で死亡した.この症例は79歳と高齢で,多発肺転移陽性であった.【結論】腫瘍縮小効果は乏しいものの,病勢制御率は50%であり,従来の報告と同等の治療成績であった.認容性は概ね良好であったが,1例でみられたILD症例は治療関連死と考えられ,症例の選択には改めて注意する必要がある.今後さらに症例を増やし検討を重ねたい.
索引用語