セッション情報 ポスター

肝癌7

タイトル P-289:

一般急性期病院で肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝臓手術の導入経験

演者 木村 拓也(八尾徳洲会総合病院肝臓外科・小児外科)
共同演者 鯉田 五月(八尾徳洲会総合病院肝臓内科), 松田 康雄(八尾徳洲会総合病院肝臓外科・小児外科), 杉田 博二(八尾徳洲会総合病院消化器内科), 平川 富夫(八尾徳洲会総合病院消化器内科), 加藤 恭郎(八尾徳洲会総合病院外科), 松岡 信子(八尾徳洲会総合病院外科)
抄録 はじめに:保険収載し施設基準改訂後当院でも4月より腹腔鏡下肝臓部分切除術を導入し5例に施行した.一般急性期病院における同術式の導入における問題および手術成績を提示する.方法:1.導入について検討した.一般急性期病院で当術式を導入するに当たって,最も高いハードルはエネルギーデバイスの購入にかかる費用である.マイクロターゼ,造影US可能な超音波装置,Tissue Link,IO電極,CUSAなどの各種エネルギーデバイスを準備し,腹腔鏡下肝臓手術を導入した.2.周術期管理:基本的にドレンは留置せず,翌日より食事開始,歩行可,第5病日をめどに退院を予定した.結果:5例に腹腔鏡下肝臓部分切除術を施行した.年齢は43から83才で4例がChild A,1例はChild Cで,すべて肝細胞癌を対象とした.背景肝はHCV3例,アルコール1例,非B非C1例であった.腫瘍の大きさは13-35mmで,S3が3例,S5が1例,S6が1例であった.すべて5ポートで手術時間は90-200分,開腹移行,輸血無し,合併症も認めなかった.3例目以降器具の購入が高額のため,現在浅層はLCSで,深層はIO電極を用いて,グリソン鞘はクリップし,肝離断を行っている.同時にラジオ波を1例,胆嚢摘出術を1例,低位前方切除術を1例に施行した.低位前方切除術を施行した1例を除き全例第5病日に退院した.結論:一般病院で同術式を導入するために莫大な費用を要し病院側の理解が必要であった.また浅層はLCSで,深層はIO電極を用いた肝離断は有用で,腹腔鏡による拡大視野はグリソン鞘,肝静脈の認識が容易となり,クリップを用いた結紮は有用と考えられた.術後経過は良好で,低侵襲のため早期に退院可能で,美容的にも満足であった.
索引用語