セッション情報 ポスター

肝画像

タイトル P-293:

MRSによる脂肪肝定量化と3D超音波による定量補助診断

演者 森藤 雅彦(さんむ医療センター)
共同演者 田中 英樹(さんむ医療センター), 坂本 昭雄(さんむ医療センター)
抄録 【目的】非アルコール性脂肪性肝疾患(Non alcoholic fatty liver disease:NAFLD)は近年増加傾向にある.1H MR Spectroscopy(以下1H MRS)により脂肪の化学的定量を実施し,3D超音波法(以下3D-US)での有用性も検討,治療への応用の可能性を検証.【対象】2D超音波検査法(2D-US)にてbright liverの所見を認める20歳以上の成人および健常成人36例を対象.【方法】GE製signa HDxt3.0Tを用いて,1H-MRS(PRESS法)データ収集した(呼吸同期,TE35ms,64回加算).voxel size(VOI)は15.6mlとし右葉2箇所以上と左葉1箇所を試みた.解析はLC Modelで行い,水を内部標準とする相対脂肪量(以下1H MRS ratio)を算出した.2D-USにて肝脂肪のエコー輝度分布パターンから定性的に3種類に分類し,1H MRS ratioと比較検討した.さらに3D-US画像から画像処理ソフトImage-Jを使用して複数のRegion of Interest(ROI)を設定し,ROI中の濃淡ヒストグラム(3D-US histgram ratio)の検討を試みた.【結果】2D-USにて軽度(n=14),中等度(n=12),高度(n=10)に定性的に分類した.軽症型の1H MRS ratioは0.046±0.024と0.1を超える症例は認めなかった.中等型(n=12)は1H MRS ratio 0.166±0.102,重度(n=10)は1H MRS ratio 0.338±0.021で1H MRS ratioに有意差を認めた(P<0.01).生化学的パラメータでは1H MRS ratioとγ-GTP,TG,AST,ALTに有意な相関を認めた(P<0.01).また,3D-USによる肝/脾histogram ratioと1H MRS ratioを検討すると,有意に相関する傾向を認めた(相関係数r=0.717,P=0.069).高脂血症治療薬の内服により1H MRSにて肝脂肪定量のモニタリングも可能であった.【結論】1H MRSにて非侵襲的に肝脂肪の定性定量が可能で治療におけるモニタリングにも有用であった.3D-USを使用した肝/脾比・濃淡ヒストグラムも肝脂肪定量に有用な補助診断となる可能性がある.
索引用語