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肝画像

タイトル P-294:

造影超音波Kupffer相における肝血管腫の血行動態―high-flow type血管腫と通常型血管腫との比較―

演者 安藤 真弓(東京医科大学病院消化器内科)
共同演者 杉本 勝俊(東京医科大学病院消化器内科), 佐野 隆友(東京医科大学病院消化器内科), 宮田 祐樹(東京医科大学病院消化器内科), 村嶋 英学(東京医科大学病院消化器内科), 平良 淳一(東京医科大学病院消化器内科), 今井 康晴(東京医科大学病院消化器内科), 中村 郁夫(東京医科大学病院消化器内科), 森安 史典(東京医科大学病院消化器内科)
抄録 【目的】肝血管腫には,腫瘤全体が早期に染まるタイプ(high-flow type:H-hema)と周囲よりゆっくりと染まるタイプ(conventional type:C-hema)がある.文献的には,EOB-DTPA造影MRIでH-hemaはC-hemaよりも早期にwashoutを呈することがあり,他の多血性腫瘍との鑑別診断が困難な場合があると報告されている.今回我々は,その両者に関しソナゾイド造影超音波Kupffer相における血流動態ついて検討した.【方法】対象は,総合画像診断と6か月以上の経過観察で診断された肝血管腫の内,長径が30mm以下である46症例46結節である(平均17.1±6.2mm).その内訳はH-hemaは12結節,C-hemaは34結節であつた.専用の解析ソフト(ImageLab)を用いKupffer相(約10分後)における腫瘤部と背景肝の輝度の比(Kupffer比)を定量的に測定し,2群間のKupffer比の差に関し統計的解析を行った.【成績】H-hemaのKupffer比(-5.3±6.7)はC-hema(-4.5±6.3)よりも高い傾向があるが統計学的有意差(P=0.73)は認めなかった.さらに,Bモード上高エコーを呈する結節を除外して,同様な解析を行うもH-hema(-6.1±6.8)とC-hema(-5.2±6.9)の間には有意な差は認めなかった(P=0.75).【結論】造影CTやMRIでの報告に反し,10分後のKupffer相ではH-hemaとC-hemaのKupffer比に有意な差は認めなかった.これは,10分後のKupffer相では,血管内を再灌流するソナゾイドがKupffer imageに影響を与えていることが原因の一つと考えられた.
索引用語