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肝画像

タイトル P-296:

3D/4Dプローブによる多血性肝腫瘤の造影超音波検査の有用性

演者 中村 進一郎(岡山大学消化器・肝臓内科学)
共同演者 能祖 一裕(岡山大学分子肝臓病学), 大西 秀樹(岡山大学分子肝臓病学), 白羽 英則(岡山大学消化器・肝臓内科学), 桑木 健志(岡山大学消化器・肝臓内科学), 萩原 宏明(岡山大学消化器・肝臓内科学), 竹内 康人(岡山大学消化器・肝臓内科学), 山本 和秀(岡山大学消化器・肝臓内科学)
抄録 【背景と目的】肝腫瘤に対するsonazoid造影USにおいて,動脈相の短い時相の所見が診断的価値を持つ結節や,特徴的な血管構築を描出する必要がある結節では,造影直前に典型的な画像がとらえられそうな断面でプローブを固定して長時間の息止めのもとで造影を行う必要がある.しかし,体表からのプローブ走査では必ずしも診断的価値のある断面を描出できるとは限らず,体位変換等を行っても都合の良い断面が得られないこともしばしば経験される.このような場合でも,3D/4Dプローブを用いて結節全体をボリュームとして取得しておけば,造影後にさまざまな断面,時相をreviewすることができ,容易に診断的価値のある画像を得ることが可能と考えられる.今回われわれはAplio 500に対応した3.5MHz 4D用コンベックスプローブPVT-375MVでさまざまなタイプの多血性肝腫瘤10結節に造影USを施行し,その有用性について検討した.【結果と考察】限局性結節性過形成2結節,古典的肝細胞癌3結節,塊状型肝細胞癌2結節,肝血管腫2結節,類上皮血管内皮腫1結節についてsonazoid造影USを施行した結果,それぞれの結節に特徴的な所見を得ることができた.3D/4Dプローブの長所としては(1)造影前にリアルタイムに多断面の画像を同時に表示可能(2)検査後に任意の断面を観察可能(3)MIP像で腫瘤の血管を立体表示可能,の3点が挙げられた.一方短所としては2Dで検査を行った場合と比較して(1)毎秒1ボリュームと低いvolume rateでしか取得できず,早い血流の把握には限界がある(2)取得した画像の解像度が低い(3)プローブが大きく,肋間走査においては肋骨の影響で死角が大きい,という点があげられた.【結語】今後装置の改良がさらに進み,高速で高解像度の画像が撮像できるようになれば,多血性腫瘤の造影USは3D/4Dでの検査が主流になっていくものと考えられた.
索引用語