セッション情報 ポスター

C型肝炎2

タイトル P-305:

C型慢性肝炎を有する後期高齢者に対するペグインターフェロン治療について

演者 坂口 浩樹(和泉市立病院消化器内科)
共同演者 藤本 俊輔(和泉市立病院消化器内科), 山田 孝雄(和泉市立病院消化器内科), 大西 亨(和泉市立病院消化器内科)
抄録 【目的】高齢のC型慢性肝炎では,発癌のリスクが高いことから,抗ウイルス療法の必要性は高い.一方,高齢者では抗ウイルス療法に伴う副作用の頻度は高く症状も重いため,治療にあたっては安全性に十分配慮した工夫が必要となる.今回我々は,後期高齢者C型慢性肝炎患者6例(全例セログループ1)にPeginterferon-α2a 90 μg(PEG)治療を行ったので,その経験について報告する.【症例1】76歳男性,HCV-RNA 5.2 LogIU/ml.PEGを隔週で2年間継続し,中止後再燃したため,隔週で再開.肝機能は安定している.【症例2】77歳男性,HCV-RNA 7.4 LogIU/ml.PEGを毎週一年間皮下注し,中止後再燃したため隔週で再開.肝機能は安定している.【症例3】80歳男性,HCV-RNA 5.7 LogIU/ml.PEGを隔週で二年間投与し,SVRが得られた.【症例4】80歳男性,HCV-RNA 5.3 LogIU/ml.PEGを毎週半年間投与し,SVRが得られた.【症例5】84歳男性,HCV-RNA 4.5 LogIU/ml.PEGを毎週7週間投与し,SVRが得られた.【症例6】76歳女性,HCV-RNA 6.8 LogIU/ml.PEGを毎週12週間投与するも倦怠感強く中止となった.【結論】セログループ1高ウイルス量患者5例に対しPEG少量投与にて2例にSVRが得られ,2例は少量長期投与中で肝機能は安定している.また,低ウイルス量患者では1例中1例に少量投与でSVRが得られた.副作用による中止は2例であったが,うち1例はSVRが得られた.後期高齢者でも希望者にはPEGの少量投与を試みるべきである.
索引用語