セッション情報 ポスター

C型肝炎2

タイトル P-306:

高齢C型慢性肝炎に対するVitaminD併用PEG-IFN/ribavirin併用療法についての検討

演者 厚川 正則(日本医科大学千葉北総病院消化器内科)
共同演者 坪田 昭人(東京慈恵会医科大学沿総合医科学研究センター), 近藤 千紗(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 糸川 典夫(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 中川 愛(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 橋本 知美(日本医科大学消化器内科), 福田 健(日本医科大学消化器内科), 松下 洋子(日本医科大学消化器内科), 城所 秀子(日本医科大学消化器内科), 楢原 義之(日本医科大学消化器内科), 中塚 雄久(日本医科大学消化器内科), 金沢 秀典(日本医科大学消化器内科), 岩切 勝彦(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 坂本 長逸(日本医科大学消化器内科)
抄録 【目的】現在のC型慢性肝炎に対するSOCはTelaprevirを含む3剤併用療法であるが副作用などを考慮し高齢者に対しては慎重な対応が必要である.近年PEG-IFN/ribavirin療法に対するVitaminD併用療法の良好な成績の報告が散見される.しかし高齢者に対する検討はなく,我々は1型高ウィルス量の高齢C型慢性肝炎患者におけるVitaminD併用PEG-IFN/ribavirin療法の安全性と効果について検討した.【方法】同意が得られた65歳以上のC型慢性肝炎患者15例に対しPEG-IFNα2a/ribavirinに1α-OH-D3製剤であるalfacarcidol(1μg/day)を併用した.なお本研究はalfacarcidolを1ヶ月先行投与した.PEG-IFN/ribavirin治療を施行された65歳以上の23例を対照群とし両群間での治療成績を検討した.【成績】対象は平均70歳,男性23例,女性15例の合計38症例.4,8,12週でのHCV-RNA陰性化率,ETR率は,4週(併用群20%,通常群9%),8週(47%,17%),12週(60%,39%),ETR(87%,74%)と併用群で良好であり,SVR率は(80%,48%;p=0.047)と有意差を認めた.IL28Bのgenotype別の検討ではmajor genotypeで,4週(25%,13%),8週(58%,26%),12週(67%,56%)と併用の効果を認め,SVR率は(92%,63%;p=0.184)と併用群で有意差を認めないものの良好であった.性別の層別化では,SVR率は男性において併用群71%,対照群63%と同等であったが,女性では併用群88%,対照群29%であり(p=0.041),特に女性において併用の効果が良好であった.SVRに寄与する因子を単変量解析したところIL28B(T/T),VitaminD併用有り,EVR有りが抽出された.Vitamin D併用による明らかな有害事象を認めなかった.【結語】高齢C型慢性肝炎に対するVitamin D併用療法はIL28B major genotypeや,高齢女性で有用である可能性が示唆された.
索引用語