セッション情報 |
ポスター
C型肝炎2
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タイトル |
P-308:C型慢性肝疾患患者におけるインターフェロン少量長期投与の有用性
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演者 |
日高 勲(山口大学消化器病態内科学) |
共同演者 |
大野 高嗣(山口大学消化器病態内科学), 坂井田 功(山口大学消化器病態内科学) |
抄録 |
【目的】C型慢性肝炎に対するテラプレビルを含む3剤併用療法が認可され,治療効果は著明に向上している.しかし,いまだに無効症例も多く,高齢化や副作用などの理由で併用療法が困難な症例も多く存在する.IFNα少量長期やPEG-IFNα2a少量長期投与は比較的副作用が少なく,肝発癌予防効果が期待される治療であり,C型肝炎治療ガイドライン(日本肝臓学会編)でも推奨されている.当科でも2002年よりIFN少量長期投与を,2004年よりPeg-IFNα2a少量長期投与を施行している.そこで当科で施行してきたIFN少量長期,PEG-IFNα2a少量長期投与の有用性を検討することとした.【方法】Peg-IFN+RBV併用療法が無効もしくは導入困難であったC型慢性肝疾患患者のうち2002年4月から2011年9月までにIFNα少量長期またはPeg-IFNα2a少量長期投与を開始した患者のうちIFN開始前に肝癌治療のない15症例を対象とし,肝発癌抑制効果,抗ウイルス効果を検討した.IFNαは300万単位を週3回投与とし,PEG-IFNα2aは90μgを可能な限り週1回投与から開始し,必要に応じて隔週投与としている.【成績】15症例中1例はgenotype 2aであるが,14例はgenotype 1bであった.投与開始時平均年齢は63.5歳で,男女比5:10,IFNの平均投与期間は32.1ヶ月であった.9症例が投与中止となっているが,投与中止例を含め,HCCの累積発癌率は投与1年後0%,2年後8.3%,3年後8.3%であった.HCC発症を認めず2年以上投与を継続できた症例(6例)からは1例もHCC発症を認めていない.抗ウイルス効果については5例でHCV-RNA消失を認めていた.【結論】IFN少量長期,Peg-IFNα2a少量長期投与による肝発癌抑制効果が示唆された.また,ウイルス陰性化を認める症例もあり,併用療法が困難な症例において,少量長期投与は有用であり,積極的に考慮すべきと考えられた. |
索引用語 |
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