セッション情報 | ポスターC型肝炎2 |
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タイトル | P-309:近赤外線スペクトロスコピーを用いたC型慢性肝炎患者におけるインターフェロン治療時の潜在性うつ状態の検出 |
演者 | 阿部 和道(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科学講座) |
共同演者 | 和田 明(福島県立医科大学神経精神医学講座), 三浦 祥恵(福島県立医科大学神経精神医学講座), 岡井 研(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科学講座), 勝嶋 史子(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科学講座), 菅野 有紀子(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科学講座), 高橋 敦史(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科学講座), 矢部 博興(福島県立医科大学神経精神医学講座), 丹羽 真一(福島県立医科大学神経精神医学講座), 大平 弘正(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科学講座) |
抄録 | 【目的】C型慢性肝炎(CHC)に対するペグインターフェロン(PegIFN)とリバビリン(RBV)を用いた抗ウイルス療法は,難治例に対しても治療効果を著明に向上させた.しかしPegIFN/RBV併用療法時にうつ状態で治療が中止となる例も少なくない.また,これまではうつ状態の診断に関する定量的な検査方法が確立されていないため,臨床診断においても客観性が十分でないのが現状である.そこで今回,近赤外光を利用した脳血流量変化計測装置(近赤外線スペクトロスコピー:NIRS)を用い,CHC患者におけるIFN治療時のうつ状態発症に関して検討した.【対象,方法】PegIFN・RBV併用療法を施行されたCHC患者7例を対象とした.PegIFN/RBV併用療法施行前,4週後,12週後に語流暢課題施行中の前頭葉,側頭葉での酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb)の賦活反応性についてNIRSを用いて検討した.また同時にCES-Dうつ症状評価尺度を施行し評価した.【結果】対象の臨床背景は,男女比3:4,平均年齢55.6±8.8歳.HCV genotype 1が3例,2が4例.HCV-RNA levels 6.6±0.7 log IU/ml,血小板数13.4±2.7 x104/mm3,ALT 50.7±25.2 IU/L.HCV-RNA陰性化率は12週後で71.4%(5/7)であった.PEG-IFN平均投与量は142.8±46.8 μg/week,RBV平均投与量は771.4±75.6 mg/dayであった.7例中1例に軽いうつ症状を認めたが,中止例はなかった.4例で4週後,5例で12週後にNIRSによるOxy-Hbの賦活反応性が治療前と比較して減衰したが,CES-Dスコアは4週後,12週後いずれも変化がなかった.【結語】NIRSによるOxy-Hb賦活反応性の減衰は,潜在性うつ状態を反映していると考えられる.NIRSはCHC患者におけるIFN治療時の潜在性うつ状態の早期検出に役立つ可能性があると思われた. |
索引用語 |