セッション情報 ポスター

膵炎

タイトル P-312:

当院にて過去2年半の間に経験した急性膵炎47例の検討

演者 村井 一裕(大阪厚生年金病院内科)
共同演者 加藤 幹那(大阪厚生年金病院内科), 加藤 穣(大阪厚生年金病院内科), 日比野 千尋(大阪厚生年金病院内科), 塩出 悠登(大阪厚生年金病院内科), 甲斐 優吾(大阪厚生年金病院内科), 城 尚志(大阪厚生年金病院内科), 松村 有記(大阪厚生年金病院内科), 武田 梨里(大阪厚生年金病院内科), 森田 理恵(大阪厚生年金病院内科), 北 久晃(大阪厚生年金病院内科), 貫野 知代(大阪厚生年金病院内科), 西塔 民子(大阪厚生年金病院内科), 中田 悠紀(大阪厚生年金病院内科), 千葉 三保(大阪厚生年金病院内科), 前田 晃作(大阪厚生年金病院内科), 内藤 雅文(大阪厚生年金病院内科), 道田 知樹(大阪厚生年金病院内科), 伊藤 敏文(大阪厚生年金病院内科)
抄録 【目的】2009年7月に急性膵炎診療ガイドライン改訂第3版が発行され,臨床現場での急性膵炎の診療にもさらなる向上が求められている.今回,当院にて,過去2年半の間に経験した急性膵炎症例について検討し,その特徴や課題について報告する.【方法】当院にて2010年1月~2012年5月の間に急性膵炎の診断にて入院加療を行った47症例(ERCP後膵炎は除く)を対象として検討を行った.【結果】47症例の年齢は16歳~90歳(平均年齢57.4歳)で,男性35例,女性12例であった.成因としては,アルコール性22例,胆石性15例,特発性9例,その他1例で,年齢別では65歳以上では胆石性が73%と多く,64歳以下ではアルコール性が66%と多かった.慢性膵炎急性増悪例が13例あり,うち10例はアルコール性であった.改訂基準での軽症例が32例,重症例が15例で,いずれも死亡例は認めなかった.重症例のうちCT Gradeのみで重症と判定した症例が9例,予後因子のみで重症と判定した症例が3例,CT Grade・予後因子の両方で重症と判定された症例が3例であった.また重症例15例のうち蛋白分解酵素阻害薬・抗菌薬膵局所動注療法,血液浄化療法(CHDF)を行ったのは3例であった.軽症急性膵炎と重症急性膵炎を比較すると,入院時の血清アミラーゼ,リパーゼ値は同程度であり,尿中アミラーゼ値は重症のほうが高い傾向が見られたが,有意差は認めなかった.一方,MAX CRP値については,有意差をもって重症膵炎の方が高値であった.平均入院日数は軽症例で15.7日,重症例で24.9日,平均絶食期間は軽症例で4.8日,重症例で9.6日であった.【結論】ガイドライン改訂後当院で経験した急性膵炎47症例について報告した.急性膵炎の診療の向上のため,ガイドラインに沿った診療とさらなる症例の集積が必要と思われた.
索引用語