セッション情報 ポスター

膵炎

タイトル P-313:

著明な高脂血症を伴った,重症例を含む急性膵炎の2例

演者 北野 陽平(旭川医科大学内科学第二講座)
共同演者 鈴木 裕子(旭川医科大学内科学第二講座), 今澤 雅子(旭川医科大学内科学第二講座), 高添 愛(旭川医科大学内科学第二講座), 岩本 英孝(旭川医科大学内科学第二講座), 山北 圭介(旭川医科大学内科学第二講座), 和田 佳緒利(旭川医科大学内科学第二講座), 太田 雄(旭川医科大学内科学第二講座), 須藤 隆次(旭川医科大学内科学第二講座), 玉木 陽穂(旭川医科大学内科学第二講座), 岡田 充巧(旭川医科大学内科学第二講座), 麻生 和信(旭川医科大学内科学第二講座), 羽田 勝計(旭川医科大学内科学第二講座)
抄録 症例1は34歳男性.飲酒歴あり.上腹部痛のため近医を受診,腹膜炎を疑われ紹介された.アミラーゼ487IU/L,リパーゼ1227IU/Lと上昇を認め,中性脂肪は7889mg/dLと著明な高値であった.厚生労働省難治性膵疾患調査班の重症度判定基準(2008年)の予後因子3点,CT grade 2の重症急性膵炎と診断した.第2病日よりイミペネム/シラスタチン,メシル酸ナファモスタットの動注療法を併用するも,呼吸状態が悪化したため第5病日より人工呼吸器を装着しICU管理となった.第20病日より体重が減少に転じ,飲水より経口摂取を再開した.第21病日に人工呼吸器から離脱し,以後重篤な合併症は無く経過して第42病日に退院となった.外来では禁酒,及び食事制限により中性脂肪は200mg/dL未満で推移している.症例2は33歳女性.25歳時より糖尿病,高脂血症のため通院していたが30歳時より通院を自己中断していた.左上腹部痛のため受診.アミラーゼ356IU/L,リパーゼ943IU/Lと上昇があり,中性脂肪は8049mg/dLと著明な高値であった.前述の予後因子0点,CT grade 1の軽症急性膵炎と診断した.絶食,補液,蛋白分解酵素阻害薬の投与等の保存的治療により軽快し第7病日より経口摂取を再開,第19病日に代謝内科に転棟となった.高脂血症を伴う急性膵炎はわが国では急性膵炎全症例の1%前後とされ頻度は高くない.文献的考察を加え報告する.
索引用語