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膵炎

タイトル P-314:

当院におけるERCP後膵炎(PEP)発症予防に対するインドメタシン座薬の有効性の検討

演者 和気 泰次郎(都立大塚病院消化器内科)
共同演者 山本 健一郎(都立大塚病院消化器内科), 前野 智子(都立大塚病院消化器内科), 加藤 理恵(都立大塚病院消化器内科), 山地 統(都立大塚病院消化器内科), 倉田 仁(都立大塚病院消化器内科), 檀 直彰(都立大塚病院消化器内科)
抄録 【目的】欧米ではインドメタシン座薬がERCP後膵炎(PEP)予防に有効であることが示されているが本邦ではタンパク分解酵素阻害薬が従来使用されてきた.当院におけるPEP発生頻度についてインドメタシン座薬の有効性を後ろ向きに検討する.【方法】2011年12月から2012年8月までに当院でERCPを施行した28例(男性13例,女性15例,平均年齢74.5歳)を対象とした.疾患の内訳は総胆管結石例18例,胆道・膵腫瘍例10例.全例にFOY600mgを投与し,A群:インドメタシン座薬(50mg)未使用群16例とB群:使用群12例に分けた.A群ではEPBD3例,EST4例,B群ではEPBD4例,EST2例を含んでいた.検討項目は1)PEP発症の有無,2)2時間後のアミラーゼ上昇比,3)翌日のアミラーゼ上昇比,4)偶発症の有無とした.【成績】PEP発症率はA群で18.8%(3/16),B群で8.3%(1/12)であった.全て軽症で保存的治療により軽快した.2時間後アミラーゼ上昇比の平均値はA群で2.3±1.4,B群で3.6±3.4,翌日アミラーゼ上昇比の平均値はA群で2.3±1.7,B群で3.4±2.9であった.平均検査時間はA群で56分,B群で61分であった.偶発症は全例を通して出血,腎障害はみられず,血圧低下がA群で1例みられたのみであった.【結論】B群では,アミラーゼは上昇する傾向にあるが,その原因として検査時間が長かったことが示唆された.統計的な有意差は得られなかったがB群ではPEP発症率が低く,FOY使用時でも,インドメタシン座薬併用によるPEP発症予防の上乗せ効果が期待された.今後さらなる検討を進めていく予定である.
索引用語