セッション情報 ポスター

膵炎

タイトル P-315:

当院におけるERCP後高アミラーゼ血症の検討

演者 岡嶋 亮(社会保険京都病院内科)
共同演者 安藤 貴志(社会保険京都病院内科), 光本 保英(社会保険京都病院内科), 今本 栄子(社会保険京都病院内科), 岸本 悦子(社会保険京都病院内科), 鈴木 俊生(社会保険京都病院内科), 川崎 佑輝(社会保険京都病院内科), 赤田 渉(社会保険京都病院放射線科), 高木 智久(京都府立医科大学消化器内科), 半田 修(京都府立医科大学消化器内科), 八木 信明(京都府立医科大学消化器内科), 古倉 聡(京都府立医科大学消化器内科), 内藤 裕二(京都府立医科大学消化器内科)
抄録 【背景と目的】ERCPは肝胆道疾患の診断治療において重要な検査処置法であるが,一方でERCP後膵炎は重篤な合併症の一つである.今回当院におけるERCP後高アミラーゼ(以下AMY)血症の発症因子に関して後ろ向きに検討を行った.【方法】2008年6月から2012年5月まで施行したERCP468例(平均年齢74歳)に対して,翌日のAMY値に関して検討を行った.検討項目は術者経験年数,処置時間,ESTの有無,膵管造影の有無,膵管ステント留置の有無とした.P<0.05を統計学的有意差ありとした.【結果】経験年数10年以下の術者群(161例)では11年以上の術者群(307例)と比較し,AMY高値となる傾向(P=0.08)を示した.処置時間が30分未満(251例)の場合は,30分以上(217例)の場合と比較し,有意にAMYが高値であった.EST施行群(136例)と非施行群(320例)の両群間には有意差は認めなかった.膵管造影群(218例)では非造影群(249例)と比較し,有意にAMYが高値であった.またそのサブグループ解析として膵管ステント留置群(22例)と非留置群(196例)の両群間には有意差は認めなかった.【結論と考察】今回の検討では,処置時間,膵管造影の有無がERCP後高AMY血症に関連していた.また経験年数10年以下の術者においてERCP後高AMY血症となる傾向があった.以上より,処置時間を30分以内とすることが望まれ,長時間の処置が必要な場合は,二期的な処置も検討すべきと考えた.膵管ステント留置術は処置時間が長いなどの高リスク症例にのみ施行しており,症例の蓄積など更なる検討が必要であると考えられた.
索引用語