セッション情報 ポスター

肝硬変1

タイトル P-320:

肝硬変患者へのEPA添加栄養食品(プロシュア)投与の検討

演者 本合 泰(市立枚方市民病院消化器内科)
共同演者 藤原 新也(市立枚方市民病院消化器内科), 扇谷 大輔(市立枚方市民病院消化器内科), 中平 博子(市立枚方市民病院消化器内科), 井口 宗威(市立枚方市民病院消化器内科), 奥田 篤(市立枚方市民病院消化器内科), 鈴鹿 真理(市立枚方市民病院消化器内科), 樋口 和秀(大阪医科大学消化器内科)
抄録 【目的】EPA添加栄養食品(プロシュア:P)投与の報告は肝癌ではほとんどみられない.肝癌治療時のBCAA製剤のLate Evening Snac(LES)の有用性は報告されている.肝癌患者へのPの有用性を確認する前に肝硬変患者におけるPの肝機能への影響,脂肪酸の変化などを観察することを目的とした.【方法】試験参加に同意したChild-Pugh AまたはBの肝硬変患者を対象とした.Pを1日1パックをLESとして飲用,14日の時点でBCAA製剤ヘパンEDへの切り替えを実施.肝機能,Alb,TTR,CRP,脂肪酸分画,NH3,BTRの推移を検討した.【成績】各データはは,投与前値→P投与14日目→へパンEDへ切り替え14日目の値である.(症例1)70代,男性.C型肝硬変Child-Pugh 6点A.Alb 3.0→3.1→3.0,TTR 13.2→14.7→13.1,CRP 0→0→0,EPA 18→23→13,DHA 81→86→72.5,NH3 33→22→70,BTR 1.96→4.85→4.54.(症例2)70代,男性.B型肝硬変,Child-Pugh 7点B.Alb 3.2→2.9→3.3,TTR 7.5→7.1→9.1,CRP 0→1.1→0,EPA 13.4→91.1→42.7,DHA 73→97.0→83.8,NH3 13.4→61→67,BTR 1.96→2.06→2.70.(症例3)70代,女性.C型肝硬変,Child-Pugh 7点B.Alb 2.9→2.9 2.7,TTR 4.7→4.3→4.1,CRP 0→0→0,EPA 28.1→37.7→12.6,DHA 72.8→57.3→46.7,NH3 16→64→54,BTR 2.26→2.05→2.50.【結果】P飲用2週間後において,Alb,TTRに変動が見られず,NH3も変動は見られなかった.BTRは3例中2例で改善が認められた.脂肪酸分画ではP摂取後全例でEPAが上昇し,3例中2例でDHAが上昇した.ヘパンEDに切り替えたところEPA,DHA共に全例で低下した.【結論】Child-Pugh AまたはBの肝硬変患者においては,P飲用は肝機能への影響はなかった.脂肪酸分画の推移では,P摂取時にEPA,DHA共に上昇する傾向が見られた.以上よりChild-Pugh AまたはBの肝硬変患者においては,P投与は問題なく行えるものと考える.
索引用語