セッション情報 | ポスター肝 他2 |
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タイトル | P-326:血清フェリチン値は進行肝細胞癌の予後を規定するかもしれない |
演者 | 小尾 俊太郎(公益財団法人佐々木研究所付属杏雲堂病院) |
共同演者 | 佐藤 新平(公益財団法人佐々木研究所付属杏雲堂病院), 佐藤 隆久(公益財団法人佐々木研究所付属杏雲堂病院), 河井 敏宏(公益財団法人佐々木研究所付属杏雲堂病院), 杉本 貴史(公益財団法人佐々木研究所付属杏雲堂病院), 八島 陽子(公益財団法人佐々木研究所付属杏雲堂病院), 菅田 美保(公益財団法人佐々木研究所付属杏雲堂病院) |
抄録 | 【はじめに】鉄キレート剤が進行肝細胞癌に有効かもしれないという報告がされた(NEJM 2011).血清フェリチン値は,貯蔵鉄量と相関することが知られている. 【目的】1.貯蔵鉄量が動注化学療法の効果に影響を及ぼすのか2.動注化学療法の予後に影響を及ぼすのか検討した. 【方法】当科にて2000-2011までにインターフェロン併用5FU動注化学療法にて治療を行った845例中,治療開始直前にフェリチンを測定してある症例を後ろ向きに検討した.抽出された症例の内訳はCRであった11例(13% 11/全CR86例)と,PDであった15例(4% 15/全PD357例)の計26例であった.血清フェリチン値50ng/mlを基準に高フェリチン群と低フェリチン群の2群に分割した.両群間で動注化学療法の奏効率と生存率を比較検討した. 【結果】対象は26例(CR11例+PD15例).血清フェリチン値はmedian 141.5ng/ml(range 6.6-1100ng/dl),血清フェリチン値50ng/mlで2群に分割すると,低フェリチン群は8例(31%),高フェリチン群は17例(69%)であった.動注化学療法の奏効率は,低フェリチン群で75%(6/8)であったのに対し高フェリチン群では29%(5/17)であった.その結果は生存率に反映され,低フェリチン群で1年生存率88%,2年生存率73%であったのに対し高フェリチン群では1年生存率47%,2年生存率35%と約半減した. 【結論】後ろ向き検討であること,症例数が少ないことなどのバイアスはあるが,血清フェリチン値は動注化学療法の効果と予後に影響を及ぼす可能性が示唆された.さらに瀉血などの介入によって予後を変えられる可能性もある.今後,前向き検討を行いたい. |
索引用語 |