セッション情報 | ポスターB型肝炎 |
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タイトル | P-332:当院における化学療法時のB型肝炎ウイルスの再活性化対策の現状 |
演者 | 西村 聡(北野病院消化器センター内科) |
共同演者 | 橋本 佳愛子(北野病院消化器センター内科), 渡邉 幸太郎(北野病院消化器センター内科), 木村 典世(北野病院消化器センター内科), 廣橋 研志郎(北野病院消化器センター内科), 牟田 優(北野病院消化器センター内科), 西川 義浩(北野病院消化器センター内科), 渡辺 昌樹(北野病院消化器センター内科), 小田 弥生(北野病院消化器センター内科), 加藤 洋子(北野病院消化器センター内科), 工藤 寧(北野病院消化器センター内科), 藤田 光一(北野病院消化器センター内科), 山内 淳嗣(北野病院消化器センター内科), 河野 孝一朗(北野病院消化器センター内科), 高 忠之(北野病院消化器センター内科), 浅田 全範(北野病院消化器センター内科), 福永 豊和(北野病院消化器センター内科), 川口 清隆(北野病院消化器センター内科), 八隅 秀二郎(北野病院消化器センター内科) |
抄録 | 【目的】近年,強力な免疫抑制療法や化学療法によるde novo B型肝炎の報告が散見され,B型肝炎の再活性化に対する認識は広まってきている.しかし,現状では全ての化学療法において適切なスクリーニング検査が行われているとは言えない.特に,HBs抗原陰性・HBc抗体陽性の患者からB型肝炎ウイルスの再活性化が起こることが知られているが,HBs抗原のみが測定されている症例も多数見受けられる.今回,当院におけるB型肝炎の再活性化対策の現状について検討し報告する.【方法】2011年8月から2012年7月までに当院で化学療法が行われた3408例を対象として,免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドラインに基づいてHBs抗原,HBs抗体,HBc抗体,HBV-DNA量がどの程度の割合で測定されているのか,また適切に核酸アナログが投与されているのかを調査した.【結果】HBs抗原,HBs抗体,HBc抗体のうち3項目とも測定されたのは200例(5.9%),2項目が測定されたのは78例(2.3%),1項目が測定されたのは3059例(89.7%)で71例(2.1%)はいずれも測定されていなかった.合計3208例(94.1%)においてスクリーニング検査が不十分であった.11例がHBs抗原陽性でこのうち8例が核酸アナログを投与された.また,HBs抗原陰性は3326例で,58例がHBc抗体もしくはHBs抗体が陽性であったが,HBV-DNA量が検出感度以上の症例は認めなかった.HBV-DNA量が検出感度未満であった53例のうち,5例が経過中に検出感度以上となり,核酸アナログを投与された.今回の対象内ではde novo B型肝炎を発症した症例は認めなかった.【結論】今回の当院における検討では化学療法時にガイドラインに基づいて十分な検査が施行された症例は少数であり,今後B型肝炎の再活性化対策についてさらなる啓発が必要であると考えられる. |
索引用語 |