セッション情報 | ポスターB型肝炎 |
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タイトル | P-335:炎症性腸疾患におけるB型肝炎ウイルスの再活性化とde novo B型肝炎のウイルス学検討 |
演者 | 林 和彦(名古屋大学医学部消化器内科) |
共同演者 | 片野 義明(名古屋大学医学部消化器内科), 今井 則広(名古屋大学医学部消化器内科), 阿知波 宏一(名古屋大学医学部消化器内科), 荒川 恭宏(名古屋大学医学部消化器内科), 山田 恵一(名古屋大学医学部消化器内科), 中野 聡(名古屋大学医学部消化器内科), 増田 寛子(名古屋大学医学部消化器内科), 石津 洋二(名古屋大学医学部消化器内科), 葛谷 貞二(名古屋大学医学部消化器内科), 本多 隆(名古屋大学医学部消化器内科), 石上 雅敏(名古屋大学医学部消化器内科), 石川 哲也(名古屋大学医学部消化器内科), 中野 功(名古屋大学医学部消化器内科), 後藤 秀実(名古屋大学医学部消化器内科) |
抄録 | 【目的】B型肝炎の再活性化は,免疫抑制・化学療法を施行する血液悪性疾患やリウマチ疾患で問題となっている.炎症性腸疾患においてもリウマチと同様に抗TNFα薬を使用しているが,B型肝炎の再活性化について不明な点が多い.そこで炎症性腸疾患におけるB型肝炎の再活性化について検討した.またde novo B型肝炎のウイルス学的検討は少ないので,この点についても解析した.【方法】抗TNFα薬を使用している炎症性腸疾患107例を対象にB型肝炎ウイルスの再活性化を検討した.平均年齢35.3±12.6歳(range;16-70歳),男83例,女24例.抗TNFα薬は,ヒュミラ10例,レミケード97例であり,平均観察期間は,44カ月であった.ウイルス解析として2例のde novo B型肝炎(悪性リンパ腫1例,リウマチ1例)と8例のB型劇症肝炎と20例のB型急性肝炎で検討した.【成績】HBs抗原,HBVDNA陽性例は確認できなかった.6例(5%)がHBs抗体,HBc抗体陽性であった.既往感染例の平均年齢は35.2±7.1歳,男性5例,女性1例,全例レミケードを使用し,平均観察期間58カ月であった.HBV未感染例と比較して臨床背景に特徴はなかった.現在のところde novo HBV肝炎は発症していない.de novo B型肝炎2例のsubgenotypeはC2であり,劇症肝炎と急性肝炎もC2とした.PreSの系統樹解析では,特異的な集団は形成していなかった.S領域においても特徴的な変異は存在しなかった.Precore/coreにおいては,T1762,A1764,A1896の変異が劇症肝炎に有意であったが,de novo B型肝炎は2例とも野生型であった.【結論】炎症性腸疾患におけるB型肝炎ウイルスの再活性化は,血液悪性疾患やリウマチ疾患と比較して若年で既往感染例が少なく解析が困難であった.またpreliminaryな検討ではあるが,de novo B型肝炎のウイルス学特徴は不明であった. |
索引用語 |