セッション情報 |
ポスター
B型肝炎
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タイトル |
P-337:都心の総合病院外来におけるB型肝炎診療の現状
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演者 |
山田 春木(社会保険中央病院内科) |
共同演者 |
葉山 惟信(社会保険中央病院内科), 三浦 英明(社会保険中央病院内科) |
抄録 |
【目的】山手線新大久保駅より徒歩5分400床規模の当院は,遠隔地からの受診者も多い.昨年度導入された核酸アナログ治療への助成,ジェノタイプ検査,ペグ・インターフェロン(IFN)保険適用から1年余り経過した昨今,B型肝炎ウイルス(HBV)キャリアー診療の現状をまとめ問題点を考察した.【対象】2011年4月~2012年7月当院外来を受診したHBVキャリアー162人.内訳は男性106人,女性56人.17~87歳で,40代が最多の43人.日本人137人,アジア系外国人25人.新規患者32人,再診130人.HIV感染判明者6人,HCV重感染者4人.【結果】162人の病態は,ヘルシーキャリアー54人,慢性肝炎76人,肝炎疑い9人,肝硬変15人,肝癌8人.HBVジェノタイプを141人で測定し,A12人,B24人,C96人,判定保留9人.核酸アナログ治療は80人に行われている.観察期間中,新規導入は5人,IFNへの移行3人で,新規開始2人と併せて計5人にIFNを導入した.核酸アナログ助成制度は38人が利用している.同剤平均処方間隔は4週15人,6週44人,8週19人その他4人で,助成利用者において申請前後での変化,非利用者との差はなかった.HIV重感染者におけるHBVジェノタイプは,A4人,C2人.全員HAART療法中で5人はHIV治療開始と同時にエンテカビルを導入した.HCV重感染者のうち1人はアデホビル投与中であり,3人は未治療である.観察期間中新たな肝癌再発が2人で見られた.この他に発癌での初診が1人いた.新規患者の受診ルートは院内13人,他院の紹介12人,その他7人.新宿区及び隣接5区在住者21人,遠隔地在住者11人.新規患者のほとんどは,以前よりHBV陽性を知りながら放置していた.肝炎訴訟診断書希望は5件あった.【結論】都内診療所への啓蒙により,引き続き一定の割合で新規患者が紹介され続けている.感染を放置し無関心だった患者へ教育することで外来定着が見られている.核酸アナログ助成は48%が利用し,臨床効果の上積みされた症例が散見された.ここ数年間0人だったIFN治療者や,新たに始まった肝炎訴訟診断書希望者が増え始めている. |
索引用語 |
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